「
京都大賞典・G2」(10日、阪神)
ゴール後のファンの拍手とどよめきが、16年ダービー馬
マカヒキ復活の衝撃を物語っていた。G1馬では過去最長ブランクとなる16年ニエル賞以来、約5年1カ月ぶりの勝利。殊勲の藤岡康は「ダービー馬で海外にも挑戦したファンの多い馬。厩舎と相談して何とか復活を、と思っていました。
マカヒキが力強い走りをしてくれたのが何よりうれしいです」と喜びをかみしめた。
勝負手に出た。いつもの後方待機策ではなく、開幕週の馬場を意識し、主張して中団へ。4角手前で左ステッキが入る形だったが、しぶとく末脚を伸ばした。「何とか間に合ってくれ、という気持ちで追っていました」。直線半ばで外に出すと、先に抜け出した
アリストテレス、
キセキを強襲。見事、ゴール寸前に鼻差で差し切った。
東京競馬場でもファンから拍手が起こり、府中で見届けた友道師は「復活してくれましたね。拍手は感動しました。ありがたいです」と万感の思いを口にする。この中間はハミを通常の水ろくから、前進気勢を引き出すためエッグに変更。陣営が諦めずに試行錯誤を重ねたことが、劇的な復活劇に結びついた。
今後は
ジャパンC(11月28日・東京)を目標にする。「ポテンシャルは高い馬。いつも一生懸命走るし、今後も頑張ってくれると思う」と藤岡康。輝きを取り戻した8歳馬が、再びG1の勲章を目指して走り続ける。
提供:デイリースポーツ