「
毎日王冠・G2」(10日、東京)
伝統のG2戦を制したのは唯一の3歳馬で1番人気に支持された
シュネルマイスター。後方から上がり3F33秒0の豪脚で、直線一気の差し切りV。ルメールは前日のサウジアラビアRCに続く、2日連続での重賞制覇。また、管理する手塚師は今年のJRA重賞で単独トップの7勝目となった。2着は2番人気の
ダノンキングリー、3着には4番人気
ポタジェが続いた。
果たして、その位置から届くのか-。直線入り口で後方2番手。残り1Fでも前との差は5馬身ほど。それでも、
シュネルマイスターは期待を裏切らない。G1初制覇のNHKマイルCを思い出させるような豪脚で、
安田記念覇者
ダノンキングリーを差し切った。
まず、レースが動いたのは向正面。発馬で遅れた
ダノンキングリーが一気にポジションを上げて行ったが、ジッと動かず位置をキープ。ルメールは「川田さんの判断を僕は後ろから見たけど、
シュネルは進んで行かなかった。動きたかったけど、彼を
リスペクトした」とG1馬の気持ちを尊重。そこでため込んだ末脚を直線に向いて一気に解放すると、次位に0秒5差をつける断トツの上がりでラ
イバル勢をのみ込んだ。
「直線はすごくいい脚。(春と比べて)ラスト300メートルでいい瞬発力を見せたように、
パワーアップしてますね。休み明けで彼にプレッシャーをかけなかったが、次はもっとアグレッシブな競馬をすると思う。次走も楽しみ」と鞍上は、相棒の確かな成長を喜んだ。
セントライト記念(
アサマノイタズラ)、
オールカマー(
ウインマリリン)に続き、JRA重賞出走機会3連勝を決めた手塚師は「さすがに後ろ過ぎるかなと…。差し切るとは思いませんでした」と苦笑い。そして「改めて成長したと感じました。いい脚を使ったし、すごいなと思いました」と満足そうにレースを振り返った。
距離は延びても対応できそうだが、「阪神のワンターンの競馬はいいと思う」と指揮官。次走は予定通りマイルCS(11月21日・阪神)になる見込みだ。着実に成長を遂げた3歳マイル王。次は仁川の頂上決戦で2つ目のG1奪取を狙う。
提供:デイリースポーツ