「
秋華賞・G1」(17日、阪神)
2021年の
秋華賞で最も興味を引かれるのが、
リオンディーズ産駒の
アナザーリリックだ。配合的には
サンデーサイレンスの4×3のインブリードが効果的だが、
母アンソロジーの名を見ると、何だか“トンビがタカを生む”ような感覚に陥る。
母を管理した中尾師が「北海道の滞在専門だった。しかも(攻め専の)福岡さんしか乗りこなせなかった」と話すように、とにかく気性の荒い馬だった。距離もス
プリント専科。それを思うと、娘の安定感と距離の融通性には驚くばかりだ。
母の
父サクラバクシンオーと言えば、あの名馬を連想させる。「もしかして
シュガーハート(
キタサンブラックの母)になり得る?」と中尾師は笑みを浮かべるが、母系に宿る“驀進(ばくしん=まっしぐらに進むこと)”を内に秘められれば、産駒から大物が現れる可能性は十分にあるだろう。
そんな背景を持つ
アナザーリリック。前走の佐渡Sでは、のちに
小倉記念を制す
モズナガレボシを子供扱いにしてみせた。秋の飛躍が楽しみな存在だ。(デイリースポーツ・松浦孝司)
提供:デイリースポーツ