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【マイルCS南部杯回顧】馬場枠順絶好の展開でアルクトスが連覇/斎藤修

  • 2021年10月12日(火) 18時00分
 昨年は馬場状態の発表こそ稍重だが、直前の雨でそれ以上に馬場状態は悪化していたと思われ、そして今年は朝からの雨で不良馬場。同じように外枠に入ったアルクトスは、条件にも恵まれ堂々の連覇となった。違ったことといえば、昨年は6番人気でいわば挑戦者の立場だったのが、連覇が期待された今年は1番人気に支持された。

 ワークアンドラブが行く気を見せ、ヒロシゲゴールドは好スタートを切ったが枠順もあってほぼ並走するように2番手。「じっくりためる競馬で」というコメントも出ていたが、1200m戦で逃げ・先行していた馬にとっては、行こうとせずとも楽に前をとれるペース。アルクトスはその外の3番手、絶好位につけた。

 この日は重〜不良という馬場状態もあって、ほとんど前残りのレースが続いていたが、南部杯でも、逃げたワークアンドラブが後退し、アルクトスが残り100mから突き放した以外、ゴール前はほとんど脚色が一緒。出走7頭が上位を占めた中央勢は、勝ったアルクトスから7着サンライズノヴァまで0秒8差。アルクトスは2馬身半抜けたが、2着ヒロシゲゴールドから7着まで2馬身弱の間にごっそり固まってのゴールとなった。

 超高速馬場で日本レコードの決着となった昨年は、前・後半800mずつに分割したタイムが45.5-47.2で勝ちタイムが1分32秒7。今年は46.7-48.6で1分35秒3。ともに前・後半の差は2秒弱で、勝ちタイムが遅くなったのは、今年度砂を入れ替えて普段のレースでも昨年より時計がかかるようになったぶん。アルクトスは昨年も外目好位からの直線抜け出しで(昨年はモズアスコットにクビ差で食い下がられたが)、まったく同じような質の競馬をしての連覇達成だった。

 それにしてもよく粘ったのが、中央勢ではもっとも人気がなかったヒロシゲゴールド。2歳時に一度ダート1800m(もちの木賞12着)を経験したことがあるだけで、それ以外は芝1戦を含めて使われてきたのは1400m以下。今回は前残りの馬場を楽なペースで進め、盛岡ダートコースはクラスターCに3年連続で出走し、2、2、3着というコース経験もあった。とはいえ亀田温心騎手は、昨年条件交流で盛岡の芝コースでの騎乗があったが、盛岡ダートコースはこれが初めての騎乗。ヒロシゲゴールドへの騎乗も昨年12月のカペラS(12着)以来2度目。金星にはならなかったが、殊勲の大銀星といっていいだろう。

 アルクトスを前に見る位置を進んだソリストサンダーは、アルクトスとまったく同じ上り36秒3の脚を使って3着。

 中央勢は同じような脚色となった中で1頭だけ直線での伸びが目立ったのがインティ。以前のようにスピードに任せての逃げなら1番枠は絶好だが、最近は前に行かなく(行けなく?)なっての1番枠はむしろ厳しい競馬となった。スタート後は中団まで下げて外に持ち出してという展開がどうだっただろう。メンバー中唯一35秒台(35秒8)の上りで届かなかったのでは仕方ない。

 ワイドファラオは先行2頭の直後につけたが、直線伸びを欠いての5着。ダート未勝利ながら3番人気に支持されたエアスピネルは位置取りがうしろすぎた(6着)。サンライズノヴァは一昨年勝ったときがハイペースで飛ばした2頭が崩れる展開で末脚を生かしたが、今回のようにどの馬にも同じように脚が残っている流れでは持ち味を発揮できなかった。

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