先週の新馬戦もフルゲートを割る出走頭数のレースが多く、除外がほとんどなかった。除外されても他のレースに再投票するなど、権利を持って出走を待っているような馬はかなり少ない状態だ。
ただ、10月下旬から新規2歳馬(初めての入厩)が増えており、これに伴って、先々週あたりからゲート試験の合格頭数がかなり増えてきた。今、入厩してくる馬でもそのままデビューという馬ばかりではなく、年内にデビューできればというパターンもあるので、すぐに除外という事態にはならないだろうが、少しずつフルゲートを割るような新馬戦が少なくなってくるのではないだろうか。
【11月13日(土) 阪神芝1800m】
◆
アーティット(牡、
父ディープインパクト、
母アブソリュートレディ、栗東・
友道康夫厩舎)
2020年セレクトセール1歳にて、2億4200万円で落札された
ディープインパクト産駒。半姉に仏1000ギニー、仏
オークスなど8戦8勝のLa Cressonniere(父
Le Havre)がいる血統でもある。
本馬については「春先は
Galileo(母父)の影響もあって、少し硬さもあったんですけど、今はディープっぽさが出て、素軽い動きをしていますね」と友道調教師。先々週の芝での3頭併せ、先週のCWでの追い切りともにスピードの中に力強さが備わっているといった感じで2歳馬らしからぬ安定した走りを見せている。鞍上は
C.ルメール騎手が予定されている。
【11月13日(土) 福島芝2000m】
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カルトゥーシュ(牡、父
トーセンラー、
母バシマー、栗東・
松下武士厩舎)
半兄に芝で3勝を挙げた
ダノンフェニックス(
父ネオユニヴァース)や
JRAの芝で2勝、ダートで1勝を挙げた
バシレウスライオン(父
キンシャサノキセキ)がいる。
本馬は7月24日に栗東へ入厩し、7月30日にゲート試験を合格。その後はノーザンFしがらきへ戻って、調整を進め、10月20日に栗東へ再入厩している。先週のCWでは3頭併せで少し遅れているが「初めて長めから追い切って、この動きなら悪くない内容だと思います。走ることに対しては前向きだったようですし、このひと追いで良くなってくると思います」と
松下武士調教師。鞍上は
鮫島克駿騎手が予定されている。
【11月14日(日) 阪神芝1600m】
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スタニングスター(牝、父
Frankel、
母スタセリタ、栗東・
友道康夫厩舎)
全姉は2016年
阪神ジュベナイルF、2017年
オークスといったGIを制した
ソウルスターリング。この馬の全5勝に騎乗したのが、
C.ルメール騎手だが、本馬のデビュー戦にも同騎手が騎乗する。
4月16日に山元トレセンから栗東へ入厩し、ゲート試験を受けて合格後に放牧へ出ている。当時と今の比較について「ゲート試験に合格した頃は前進気勢が強くて、その気持ちと走りがうまく噛み合っていないところもありました。それがひと夏越して、体もひと回り大きくなったことでうまく走ることができるようになってきました」と
友道康夫調教師。先々週の芝での追い切りでは少しリズムの悪いところもあったが、先週のCWでの動きはスピード感十分。走りは追うごとに良くなっている。
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フィンスタビライザ(牡、
父メイショウボーラー、
母ファンシービビッド、栗東・
安達昭夫厩舎)
母系には2008年
ジャパンカップを優勝した
スクリーンヒーロー(
父グラスワンダー)や2020年
阪急杯を勝った
ベストアクター(
父ディープインパクト)がいる血統。
本馬は9月上旬から栗東でしっかりと乗り込まれており、10月28日のCWでは6F81秒台の時計をマークして、水準以上の動きを披露。11月3日の坂路では4Fは56.2秒と遅い時計だったものの、ラストは12.5秒でまとめており、出走態勢が整った動きを見せている。
(取材・文:井内利彰)