「
エリザベス女王杯・G1」(14日、阪神)
レイパパレの母系をたどると、歴史的ロマンを感じざるを得ない。11代母は小岩井農場の基礎輸入牝馬フロリースカップ。彼女から派生した一族が、日本で脈々と血のバトンを繋いできた。その末裔(まつえい)による
大阪杯制覇は快挙と言っていいだろう。
祖母は北海道浦河の“蠣”崎牧場が生産した“
オイスター”チケット。その名に思い入れが感じられるが、母の“シェル”ズレイは高野師が松田国厩舎に在籍していたときに活躍していた。「目がギョロッとしているところは似ていますね。母は装鞍の際にかなり苦労しました(笑)。その点、娘の性格は随分とまろやかになりましたね」と懐かしむ。
血の進化を“戦争”と表現する高野師。その渦中で奮闘する
レイパパレの存在意義は大きい。「種馬はもちろん、繁殖牝馬の血の更新もいわば戦争です。輸入牝馬の子が続々と活躍しているこの時代に、明治時代から日本で脈々と受け継がれた血を持つこの馬がG1を勝ち切った。あの
大阪杯には“生き抜く”という底力を感じましたね。現代競馬にも通用するという証明ができたことはうれしいです」。貝のように積み重ねてきた先代の厚い層を
バックに、2つ目のタイトルを手に入れるか。(デイリースポーツ・松浦孝司)
提供:デイリースポーツ