8月のばんえい大賞典、11月のばんえい
菊花賞につづく、ばんえい3歳馬の三冠目。先の二冠が別定重量戦なのに対して、ばんえい
グレードBG1のばんえいダービーは、ソリの重量が牡馬730kg、牝馬710kgの定量で争われる。
ばんえいダービーは2015年以降、昨年まで6年連続で3着以内を牡馬・セン馬が独占しているが、今年はばんえい
菊花賞で牝馬が上位3着まで独占したように、この世代は牝馬が強い。
なかでももっとも勢いがあるのが
サクラヒメ。今年2月の3歳牝馬同士の重賞・黒ユリ賞では大きく離されての10着とあまり目立つ存在ではなかったが、シーズンが改まっての4月以降、3着以内を外したのが2回だけという安定した成績で徐々にクラスを上げ、ばんえい
菊花賞、さらにばんえい
オークスでは後続を引き離しての圧勝で、目下5連勝。一冠目のばんえい大賞典には出走が叶わなかったものの、ばんえい
オークスを加えた変則三冠を3連勝で制覇という期待がかかる。
黒ユリ賞と、一冠目のばんえい大賞典を制しているのがイオン。ばんえい
菊花賞では第2障害で最初に仕掛けて
サクラヒメとほぼ同時に越えたが、
サクラヒメより10kg重い重量がこたえたか失速して7着。それでも定量のばんえい
オークスでは障害先頭から
サクラヒメに交わされただけで2着と健闘した。続く前走が古馬オープンとの対戦で、ゴール寸前まで先頭で粘っての6着。その一線級との対戦での経験から
サクラヒメに逆転という可能性も十分に考えられる。
牡馬では、2歳シーズン三冠目(明け3歳)のイレネー記念を制したオーシャンウイナーが、3歳一冠目のばんえい大賞典でもメンバー中唯一最重量の690kgながらイオンの2着に好走。定量戦のここならチャンスは大きい。
そのほか、ばんえい
菊花賞2着の
ミソギホマレ、1月の3歳牡馬重賞・翔雲賞を制し、自己条件3連勝中の
タカナミ、2歳シーズン三冠すべて2着という実績のネオキングダム、2歳一冠目のナナカマド賞の覇者でばんえい
菊花賞3着だったアバシリサクラらもそれほど差はない。
(文・斎藤修)
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