12月29日(水)に
大井競馬場で
東京大賞典が行われる。2011年より
地方競馬としては初めての国際GIとなり海外の馬も出走可能となり、2014年にアメリカから
ソイフェットが参戦した。例年中央・地方問わず一流のダートホースが集結し、年末のダート王者を決するビッグレースとなっている。
2006年以降中央所属馬が毎年優勝しており、地方所属馬は2005年
アジュディミツオーを最後に勝利から遠ざかっている。
また人気では過去10年、1番人気は複勝率90%で、2019年に4着に敗れた
ゴールドドリームを除いて馬券圏内を外しておらず、連対馬20頭中のべ19頭が1~5番人気から出ていることからも上位人気馬が中心。
今年の出走馬の中で最有力候補とみているのが
オメガパフューム。18年から3連覇を達成していて、大井2000mでは【4・3・0・1】で唯一の馬券圏外は今年5着に敗れた
帝王賞だけ。JBCからの
ステップは昨年同様だし、そのJBCではスタートで出遅れて後方からの競馬になりながらも最後の直線では外から脚を伸ばし、
ミューチャリーのコンマ1秒差まで詰め寄ったことは評価でき、4連覇の偉業は目前だ。
クリンチャーは初めての地方遠征となった今年の
佐賀記念で2着馬に9馬身差付けて快勝すると、続く
名古屋大賞典でも単勝1.3倍の人気に応えて快勝。
帝王賞では好位の外からレースを進め、直線で脚を伸ばして3着と好走。この2戦は一息の内容だが、実績のあるコースなら巻き返せるはず。
また
アナザートゥルースは昨年の
ダイオライト記念以降Vはないものの、2走前には
みやこSで10番人気3着、前走のチャンピオンズCでは14番人気3着と2戦連続低評価を覆して好走。内からスムーズに先行できれば粘り込みも可能だ。
昨年3着の
ウェスタールンドは、終いの脚は堅実で直線が長い大井の外回りコースは向く。9歳でも衰えは感じられないし、リピーターの活躍も目立つレースということからも注目の一頭。
過去15年で勝利がない地方所属馬も、19年2着
ノンコノユメ、3着
モジアナフレイバー、20年2着
カジノフォンテンと2年連続地方所属馬から出ていて侮れない存在。
船橋所属の
ミューチャリーは3歳の時に
ジャパンダートダービーで中央馬相手に3着と素質を見せていた。古馬になってからはダート
グレード競走では掲示板止まりだったが、前走の
JBCクラシックでは3番手追走から直線で抜け出すと、
オメガパフュームの追撃を退け
JBCクラシック史上初の地方所属馬勝利という大仕事をやってのけた。このメンバーでも互角に戦える力はあり連勝も期待できる。
浦和所属の
タービランスは安定感が魅力で、南関東で走って掲示板を外したのは2017年に道営から遠征して出走した
東京大賞典だけ。今回はその時以来の挑戦になるが、前哨戦となる
浦和記念でも2着になっていることからも十分に食い込みの余地はある。
(文・豊岡加奈子)
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