笠松の大みそか恒例の名物重賞は“東海の
有馬記念”と位置付けられているレースで注目度が高い。今年は例年以上の混戦ムードで、いっそう見逃せない。
まず最近5年間のデータを少し紹介したい。
1.1番人気馬はわずか1勝。一見、信頼度は低いようだが、【1・2・2・0】と馬券にはしっかりと貢献。しかも2010年~16年は7年連続して1番人気馬が優勝。今年は人気割れ必至で、1番人気を予想しにくいが、マークシートに塗りたいものだ。
2.優勝馬の馬齢は16年から8,8,9,3,6歳と、高齢馬のVが多いのも特徴の1つ。
3.先行有利が
セオリーの小回り笠松にあって、東海GCに限っては逃げ受難だ。16年から1周目1角を先頭で通過した馬の成績は10,9,5,9,10着。馬券に全くつながらないのは、驚くべきデータと言えるのではないか。
最近の好走例にもあてはまる、決め脚自慢の◎
キーグラウンド(牡7、
川西毅厩舎)から狙っていきたい。中央4勝馬の実力派は転入後、重賞では7月の
名港盃4着が最高と重賞成績はもうひとつ。ただ、中央在籍時の18年のJpnIII・
名古屋大賞典では3着に食い込んだ、輝く実績がある。事実、重賞以外の東海のA級戦では7戦無敗。まくり気味に外をまわって直線一気! 破壊力満点の差し脚を爆発させ続けている。余裕ある仕上げで臨んだ休養明けの前走をひと叩きし、さらに上昇気配。念願の初タイトルに機は熟した。
近年ない、今年の
東海ダービー馬、○
トミケンシャイリ(牡3、
竹下直人厩舎)の参戦が、大会をさらに盛り上げそうだ。東海ファンなら誰もがご存じ、3歳三冠レースをすべて仕留めた飛び切りの好素材。7F戦が3戦続くが、猛者ぞろいの笠松GPでも勝負どころで見せ場を作ってみせた。適距離に久々に戻った一戦。19年には当時3歳だった
ニューホープが優勝してみせた。フレッシュなスピードが再びスパークしていい。
地元笠松勢では▲
ウインハピネス(牡6、
森山英雄厩舎)に期待が掛かる。笠松・オータムC(19年10月)優勝馬で、直後の交流重賞・笠松GP(同年)でも3着に活躍。その後南関でもまれて再び戻ってきた。
ステップのオープンを2戦消化し、むかえた本番。【6・6・1・0】の抜群の相性を誇る得意コースで重賞2勝目をうかがう。
穴は△
メイプルブラザー(牡7、
伊藤強一厩舎)のいきなり劇。中央オープンで活躍した実績派は、園田A1でもコンスタントに好走した。休養明けをひと叩きしての転入戦でもある。手探り面ある初戦も軽視はできない。
(文・西尾敦)
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