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園田ジュニアカップ」は今年で第50回目を迎える。若駒にとっての大一番。過去を振り返ると、兵庫を代表する名馬たちの名がズラリと並んでいる。来年のクラシック戦線へと直結する出世レース。それだけにどの陣営にとっても是が非でもモノにしたいタイトルであることは間違いない。
【
園田競馬場の1700m戦の特徴】
向正面の半ばからスタートする。すぐに3コーナーを迎えるため、後手に回ると思わぬ位置取りをしいられるケースがある。すぐにコーナーへ入るため、比較的ペースが落ち着きやすい。だが、2歳戦は距離経験の少ない馬が多く、折り合いがつかずに、掛かる馬が出てくることもしばしば。古馬のレースでは内枠の逃げ、先行馬が有利だが、2歳戦では後方からロングスパートで台頭してくるケースも良く見られる。
【過去の傾向】
現在は第32回の
ジャングルパワーから前回大会の
ツムタイザンまで、牡馬が18連勝中。牝馬のVは第31回
ハヤセスイグンから遠ざかり、基本的には牡馬が優勢だ。
【有力馬紹介】
ガリバーストーム・・・デビューから4連勝中で、2歳世代をけん引する存在になっている。兵庫
若駒賞勝ちはもちろんだが、その走破時計は優秀そのもの。これだけの時計をマークできるのはそうはいない。スピード一辺倒かと思われる方も多いが、前走で1700mを克服。折り合いはついていたし、番手から落ち着いたレース運びができたのも収穫。これといった死角は見当たらず、V最有力候補なのは間違いないだろう。
ベルレフォーン・・・これからの伸びシロが大きそうなのが同馬だ。初出走戦はまだまだ緩さの残る体つきながら、終わってみれば直線は鋭く伸びての勝利。味のある内容だったし、素質の高さを感じさせた。2戦目は先を見据えての距離延長。そんな中でも2着と踏ん張った。経験を積みさらなる良化が見込め、さらに進化した姿を見せることも考えられる。
アンサン・・・6月にデビューしてから馬券圏内を外したのは兵庫
若駒賞の6着のみ。その時はハナを奪って目標にされたもの。それ以降は脚質転換を図り、それが奏功。2走前は勝利を収め、前走は初の1700mでも2着と対応した。巧みなレース運びが光るし、馬券には欠かせないか。
ピロコギガマックス・・・前走の1700m戦で崩れたことで、取捨が難しくなったのは確か。ただ、兵庫
若駒賞での2着があり、力負けはない。いかに集中して走れるかが鍵を握る。
【予想】
ガリバーストームがV有力だ。心配されていた1700mの距離に対応したことで、これといった不安材料が見当たらなくなった。調整過程も順調。無傷の5連勝で2つめのタイトルを勝ち取る可能性は大きい。
ピロコギガマックスは前走の敗戦で収穫あり。力では見劣りしないし、陣営の試行錯誤が実れば、やれないことはないはずだ。
ベルレフォーンは現時点での完成度という点では見劣るが、先々は逆転すら考えうる好素材。上積みの大きな1頭でもあるし、目が離せない。
アンサンは戦法に幅が広がったことで、レースぶりが良くなってきた。この時期の2歳戦では強い武器になる。上位争いには欠かせないだろう。末脚自慢の
ラッキーライズに、キャリア浅いが調子の良さで
ハルソロンが台頭することも。
(文・桑原勲)
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