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【勝負の分かれ目 朝日杯FS】理想的なレースで武豊騎手が朝日杯FSを初制覇

  • 2021年12月19日(日) 19時14分
 無敗馬6頭を含む15頭が、第73回朝日杯フューチュリティステークスのゲートを飛び出した。

 3番アルナシームが立ち遅れた以外は、ほぼ横並びのスタートを切った。

 武豊が乗る3番人気のドウデュースもスムーズにゲートを出て、中団馬群の外目で折り合いをつけた。

「手のかからない馬で、周りを見ながらレースができる。リズムがすごくよくて、いいポジションにおさまりました」と武。

 1番人気のセリフォスは掛かり気味に先行し、ドウデュースより3馬身ほど前にいた。

 前半600m通過は34秒3。ドウデュースは、少し位置取りを下げてきたダノンスコーピオンの外に併せる形になった。

 800m通過は46秒2。馬群は先頭から最後方まで12、3馬身の縦長に。

 ドウデュースは3、4コーナーを回りながら少しずつ先行勢との差を詰め、セリフォスを1馬身半ほど前の内に見る形で直線に向いた。武は言う。

「(有力馬が近くにいたのは)たまたまです。手応えよく直線に向いて、(追い出しを)待つ余裕がありました」

 ドウデュースは大外に進路を取った。ラスト400m付近で内のオタルエバーに寄られるシーンもあったが、怯むことなく末脚を伸ばす。

 ラスト200m地点でセリフォスが先頭に立つと、ドウデュースはその外に馬体を併せに行った。さらに内からはダノンスコーピオンも差を詰めてくる。

 そこからドウデュースセリフォスの叩き合いとなったが、終始ドウデュースが優勢だった。ドウデュースが内のセリフォスに半馬身差をつけ、先頭でゴールを駆け抜けた。スタンドから大きな拍手が沸き起こった。

「さすがに相手も強くて、しぶとかったけど、ドウデュースが最後まで一生懸命走ってくれました。初めて乗ったときからいい馬で、一戦ごとに強くなっていて、まだまだ強くなりそうな予感があります」

 そう話した武は、22回目の参戦で、ついに朝日杯フューチュリティステークスを制し、GIコンプリートまで、ホープフルステークスを残すのみとなった。

 セリフォスと、3着のダノンスコーピオンは、道中、掛かり気味になっていたが、それでも最後まで伸びていた。今日は、スムーズに折り合い、理想的なタイミングで仕掛けることのできたドウデュースに軍配が上がったが、今後も顔を合わせることがあれば、接戦になりそうだ。

(文:島田明宏)

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