無敗馬6頭を含む15頭が、第73回朝日杯フューチュリティステークスのゲートを飛び出した。
3番
アルナシームが立ち遅れた以外は、ほぼ横並びのスタートを切った。
武豊が乗る3番人気の
ドウデュースもスムーズにゲートを出て、中団馬群の外目で折り合いをつけた。
「手のかからない馬で、周りを見ながらレースができる。リズムがすごくよくて、いいポジションにおさまりました」と武。
1番人気の
セリフォスは掛かり気味に先行し、
ドウデュースより3馬身ほど前にいた。
前半600m通過は34秒3。
ドウデュースは、少し位置取りを下げてきた
ダノンスコーピオンの外に併せる形になった。
800m通過は46秒2。馬群は先頭から最後方まで12、3馬身の縦長に。
ドウデュースは3、4コーナーを回りながら少しずつ先行勢との差を詰め、
セリフォスを1馬身半ほど前の内に見る形で直線に向いた。武は言う。
「(有力馬が近くにいたのは)たまたまです。手応えよく直線に向いて、(追い出しを)待つ余裕がありました」
ドウデュースは大外に進路を取った。ラスト400m付近で内の
オタルエバーに寄られるシーンもあったが、怯むことなく末脚を伸ばす。
ラスト200m地点で
セリフォスが先頭に立つと、
ドウデュースはその外に馬体を併せに行った。さらに内からは
ダノンスコーピオンも差を詰めてくる。
そこから
ドウデュースと
セリフォスの叩き合いとなったが、終始
ドウデュースが優勢だった。
ドウデュースが内の
セリフォスに半馬身差をつけ、先頭でゴールを駆け抜けた。スタンドから大きな拍手が沸き起こった。
「さすがに相手も強くて、しぶとかったけど、
ドウデュースが最後まで一生懸命走ってくれました。初めて乗ったときからいい馬で、一戦ごとに強くなっていて、まだまだ強くなりそうな予感があります」
そう話した武は、22回目の参戦で、ついに朝日杯フューチュリティステークスを制し、GIコンプリートまで、
ホープフルステークスを残すのみとなった。
セリフォスと、3着の
ダノンスコーピオンは、道中、掛かり気味になっていたが、それでも最後まで伸びていた。今日は、スムーズに折り合い、理想的なタイミングで仕掛けることのできた
ドウデュースに軍配が上がったが、今後も顔を合わせることがあれば、接戦になりそうだ。
(文:島田明宏)