日課である筋トレ中は毎回、ユーチューブの音だけを聞いて楽しんでいる。よく聞くのは、過去に起こった事件を扱った内容。その中でも特にお気に入りなのは、事件の解説を一通りした後に、独自の推理や考察などを述べる類いのもの。なかなか考えさせられる内容が多く、時には深く暗い話も。そんなものを聞きながら筋トレするのもどうかと思うのだが…。
競馬はなかなか推理(=予想)通りの結果にはならないものだが、一応はこれが本職。GIII根岸S(30日=東京ダート1400メートル)の考察をしてみようではないか。
ソリストサンダーの1週前追い切りは開門直後のウッドで7ハロン96.0-12.3秒。長めから大外を回る、実に負荷のかかった内容だった。平助手は「ひと息入っていて少し太かったので、しっかりと追いました。動き自体は良かったし、直前にもう1本やれる。東京への輸送もあるので、前走と同じくらいの体で出せると思います」と見通しを教えてくれた。
その前走、
武蔵野S快勝については「思ったより早めに抜け出す形にはなったけど、危なげのないレースぶりだった。最後は差を詰められていたといっても、余裕がありましたからね。本当に力をつけてます」と。
一昨年の
武蔵野Sも2着に好走しているように東京のコース適性(過去2→4→2→8→1着)は問題なし。ならば過去4→7→4→2→9着の距離1400メートルが根岸Sに向けての最大の課題となるが…。
「もともと1400~1600メートルくらいがベストの馬だと思っていたくらい。小回りの1400メートルだと忙しいかもしれないけど、直線の長い東京なら心配ないと思いますよ」と平助手はキッパリ。「以前はポジションが取れず、後ろからの競馬が多かったんだけど、最近はある程度、前につけられるようになってきた」のも自信の裏付けになっているようだ。
トモの骨折で2歳秋から1年を優に超える長期離脱を余儀なくされた馬が、一歩ずつ着実に階段を上がり、前走の
武蔵野Sで初重賞タイトルをゲット。実にデビューから27戦目のことだった。
もちろん、次なる目標は最高峰のタイトル。ここは2・20フェブラリーSを見据えての参戦となるが、「久々でも馬はできている…というよりは、ここを使って次に
テンションがどうなるのかって思わせるほどの仕上がりですからね」となれば、叩き台うんぬんの心配もまた無用だろう。
記者の原稿に、お気に入りユーチューブほどの説得力があったかどうかは別にして、根岸Sは
ソリストサンダー中心の見立てでOKなのでは。
(栗東の
マッスル野郎・芝井淳司)
東京スポーツ