18頭がほぼ横並びのスタートを切った。
池添謙一が乗る2番人気の
メイケイエールも3番枠からスムーズに出た。
ホライゾネットなど馬具の効果か、パドックから落ちついていた
メイケイエールは、ゲートからの数完歩で池添に軽く促されると、スムーズにスピードに乗って行く。
「内枠が当たったときは、並びもよくなかったのでどうしようかと考えたのですが、腹を括ってレースに行きました。(枠入りを)少し嫌がってはいましたが、落ち着きはあったので、それはあまり気にしていませんでした」と池添。
そのまま外に
カレンモエを従え、前に他馬がいない状態で向正面を進む。池添は重心を後ろにかけ、短く持った手綱を引いてはいるが、それほど激しい掛かり方ではない。
3コーナー手前で外から切れこんできた
ビアンフェに前に入られたときだけ、池添がさらに手綱を引いたこともあり、
メイケイエールはやや首を高くしたが、極端にエキサイトすることなく脚を溜める。
ビアンフェが先頭のまま直線へ。
3、4番手の内で4コーナーを回った
メイケイエールの前が、直線入口でクリアになった。
メイケイエールは、内の
ビアンフェと外の
ジャンダルムの間から末脚を伸ばす。ラスト200m手前で池添の右ステッキを受けると、さらに加速して後ろを突き放す。1完歩ごとに差をひろげ、外から
シャインガーネットと
ナランフレグが追い上げてきても勢いは衰えず、余裕を持ってフィニッシュ。昨年の
チューリップ賞以来となる、重賞4勝目をマークした。
「折り返し(手綱)を外してレースに出る予定だったのですが、直前に厩務員さんと相談し、そのまま臨みました。ホライゾネットの効果もあって、行きたがってはいましたけど、我慢して、今日は本当に上手に走ってくれましたし、直線で抜け出してからも踏ん張ってくれました。力のあるところを見せられてよかったと思います」
そう話した池添にとって、これが昨年の
スプリンターズステークス(4着)以来となる2度目の実戦。
スイープトウショウ、
オルフェーヴルなど、気性の激しい強豪を御す技術に定評のある名手が、さすがの騎乗を見せてくれた。ス
プリント戦線で、目の離せないコンビになりそうだ。
(文:島田明宏)