「根岸S・G3」(30日、東京)
中団でレースを進めた6番人気の
テイエムサウスダンが、直線で力強く脚を伸ばして快勝。通算5つ目、JRAでは初となるタイトルを獲得した。見事にエスコートした鞍上の岩田康にとっては、JRA通算1700勝という節目の勝利となった。2着は4番人気の
ヘリオス、3着には2番人気の
タガノビューティーが続いた。
歓喜のゴールに飛び込むと、鞍上の岩田康は高々と右腕を突き上げた。これが、
テイエムサウスダンとのコンビで挙げた4つ目の重賞V。自身にとってJRA通算1700勝という節目の勝利に、「この馬のパワフルな走りを見せられて良かった」と会心の笑みを浮かべた。
調教から密にコンタクトを取り、「どこからでも競馬ができるように」と、実戦でのイメージを膨らませてきた。以前は先行抜け出しの
スタイルだったが、前走、そして今回と中団で脚をためる競馬。勝負の直線では、554キロというメンバー最重量の巨体を力強く弾ませて、1完歩ごとに前を追い詰めた。
兵庫
ジュニアGPをはじめ、交流重賞で4勝を挙げた同馬にとって、ようやく手が届いたJRA重賞。だが岩田康は「(今回の勝利は)悲願じゃないです。まだまだこれからの馬なんで」と、さらなる躍進を予言。出走権を得た
フェブラリーSへ向けて、「前回の1600メートル(
武蔵野S9着)の敗因は分かっているので、マイルでも長くないってことを証明できればと思う」と楽しみにした。
「10キロ増がどうかと思ったけど、頑張ってくれたね」と飯田雄師は苦笑いしつつ、「前走で砂をかぶる競馬を経験したのが、折り合い面で生きたと思う。前回のマイル戦は落鉄していたからね。1Fの延長でも折り合いがつけば」と大一番へ前向きな姿勢を見せた。地方回りで培った底力を、次は中央G1の大舞台で爆発させる。
提供:デイリースポーツ