GIII
東京新聞杯(6日)の舞台はスピードと持久力が求められる東京芝1600メートル。過去には
ハットトリックや
スズカフェニックス、
ローレルゲレイロらが、ここを勝って後のGI制覇へとつなげた。
そんなレースの近年のトレンドは“牝馬の活躍”。過去5年の出走馬73頭中、牝馬の出走はわずか9頭ながら、<2214>という好成績を残している。
春のGI
ヴィクトリアマイルと同じレイアウトで行われるGIII。大舞台を意識する質の高い牝馬が、あえて牡馬相手の重賞にエントリーし、結果を残しているのが近年の
東京新聞杯の実態だ。
てなわけで当然、今年も牝馬に注目。とりわけ期待が高まるのは明け4歳の
ファインルージュだろう。昨年は牝馬3冠にフル参戦して
桜花賞3着、
秋華賞2着と世代トップクラスの走りを披露した実力馬だ。
東京コースはこれまで1勝1敗。距離が長かった
オークスこそ11着と崩れたが、1400メートルの未勝利戦では2馬身差の快勝。番頭格の太田有助手も「前走の
秋華賞はいつもより3角過ぎで勢いがつかず、それが最後に響いた感じでした。エンジンがかかるのに時間がかかるので(阪神内回りから)広い東京に替わるのはプラス」とコース適性の高さをアピールしつつ、「春に向けていい走りを」と同舞台の
ヴィクトリアマイルをはっきりと見据えている。
一方で勢いのある4歳牝馬の前に立ちはだかるのは、5歳牝馬の
マルターズディオサではなかろうか。一昨年のGIII
紫苑Sを最後に勝ち星から遠ざかってはいるものの、その後も牡馬相手のGII阪神C2着、東京コースでもGII
府中牝馬S3着などレベルの高い走りを披露し続けている。
今回、初めてコンビを組む
松岡正海は「1週前追い切りにまたがらせてもらったけど、走りの
バランスがいいし、思った通りの背中の良さだった。どんなレースができるか楽しみ」と確かな手応えを感じている様子だ。
くしくも
ファインルージュ、
マルターズディオサの父は同じ
キズナ。今年の
東京新聞杯は
キズナ産駒の牝馬2頭の走りに注目していただきたい。
(美浦の
ワークマン・藤井真俊)
東京スポーツ