「
東京新聞杯・G3」(6日、東京)
マイル界に将来性豊かなスター候補が誕生した。4番人気の
イルーシヴパンサーが、直線で外から抜群の切れ味を発揮し、一気に突き抜けて快勝。破竹の4連勝で重賞初制覇を決めた。2着は中団から追い上げた1番人気の
ファインルージュ、3着には2番人気の
カラテが入った。
この勢いは本物だ。
イルーシヴパンサーは後方2番手でじっくりと脚を温存し、直線に入ると馬場のいい外へ進路を取った。ここからが圧巻だった。大外からメンバー最速の上がり3F33秒1の強烈な末脚を繰り出し、ラスト1Fで完全に突き抜けて、難なく初タイトルを手にした。
コンビを組んで4戦4勝となった田辺は「びっくりしました。成長は感じていましたが、あんなにあっさり差し切るとは」と想像以上の勝ちっぷりに驚きを隠せない。「以前より落ち着いてレースに臨めるようになりました。これで一線級の馬と戦えるようになったし、本当の勝負はこれからですね」と今後を見据えて表情を引き締めた。
明確な目標も定まった。昨年の
皐月賞(10着)以来の重賞の舞台。試金石の一戦とみていた久保田師は「すごいね。ここまで強いとは。このメンバー相手に完勝したので、春は堂々と行きたいと思う。挟むか、それとも直行かを考えないと」と早くも
安田記念(6月5日・東京)を意識する。
トレーナーは調教助手時代、
カラテを管理する高橋祥師に師事していただけに、今回は恩返しの勝利にもなった。「先生(高橋祥師)とこの舞台で戦えたということには、思うところがありますね」と感慨深げ。大きな可能性を秘めた
ハーツクライ産駒が、春のG1戦線に乗り込んでいく。
提供:デイリースポーツ