日経新春杯(
ヨーホーレイク→
ステラヴェローチェ)に、
シルクロードS(
メイケイエール)、そして先週の
東京新聞杯(
イルーシヴパンサー→
ファインルージュ)。2022年の重賞戦線における「明け4歳馬」の活躍が目覚ましい。となればGII
京都記念(13日=阪神芝内2200メートル)もまずは4歳馬。まして開花間近の超良血馬がいるとなればなおさらだ。
GI7勝の名牝
ジェンティルドンナを母に持つ良血
ジェラルディーナはまだ馬体に良化の余地を残しながら、昨夏の小倉から一気の3連勝でオープン入り。今年はさらなる飛躍が期待され、明け4歳始動戦からマークは怠れない。
「この馬のセールスポイントはス
トライド。加速していく時にどんどん、どんどん大きくなっていくんです。そのうえでスピードもあるのが良さじゃないでしょうか」
管理する斉藤崇調教師は
ジェラルディーナをこう評価する。確かに実戦で見せる迫力十分の走りは、440キロ前後の小柄な牝馬とは思えないもの。若き指揮官の言葉は、フィジカルの秘密を端的に表しているように思える。
ではメンタルは? パドックでは気持ちを前面に出すのが常。トレーナーはこの気性を「頑張り屋さん」と捉えている。
走ることに対して真面目であるがゆえに「以前は苦しいところもあったかと思いますが、今はいろいろ受け入れてやれるようになってきました。でも、まだまだですね。肉体的にも精神的にも成長の余地は大いにあります」と現状を評価しつつ、さらなる高みを見据えている。
昨秋は目標にしていた
秋華賞への出走がかなわなかった。それだけにこの
京都記念は先々に向けて、結果を残しておきたい一戦だ。
「見ている感じではワンターンの競馬じゃなくてもいいかな、と。あまりせかさないような競馬をしようと思いながら取り組んでますし、ジョッキー(福永)もうまく教えてくれてレースも上手になってきました」
斉藤崇調教師は馬本位を強調しつつ、重賞Vへの手応えをにじませる。
思えば、厩舎の偉大な先輩
クロノジェネシスも4歳時にこの
京都記念を勝ち、スーパーホースの階段を駆け上がっていった。斉藤崇厩舎期待の4歳牝馬
ジェラルディーナがここでどんな走りを見せるのか、目が離せそうにない…って気付いている方もいるだろうか。
実はこの
京都記念には同厩の4歳牡馬
ラーゴムもスタンバイさせている。「中京より阪神のほうが競馬はしやすいと思いますし、状態もいいので一発があるかも。ジョッキー(池添)が上手に乗ってくれて、だいぶ折り合いも良くなってきましたから」とこちらも斉藤崇調教師は上々の感触だ。
改めて言うなら本命党は
ジェラルディーナ、そして穴党は
ラーゴムの走りに注目してほしい。
(栗東の馼王野郎・西谷哲生)
東京スポーツ