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【勝負の分かれ目 共同通信杯】ダノンベルーガが圧巻の末脚でクラシックの有力候補に

  • 2022年02月13日(日) 17時50分
 雨のなか、稍重の東京芝1800mコースに11頭が飛び出した。

 2番人気のアサヒが立ち遅れ、最後方からのレースとなった。向正面入口でビーアストニッシドが先頭に立った。アバンチュリエレッドモンレーヴが掛かり気味につづき、1番人気のジオグリフはそれらの後ろにつけた。

 松山弘平が乗る3番人気のダノンベルーガは、ジオグリフをマークするように、その1馬身半ほど後ろの中団外目を進んでいる。内のエイシンシュトルムや後ろのダノンスコーピオンがやや行きたがっているのに対し、ダノンベルーガは折り合っている。抜群の手応えではあるが、ほどよく力が抜けた状態で流れに乗っていた。テン乗りの松山が、馬と呼吸を合わせ、リズムよく走らせたことにより、脚が溜まった。

 ビーアストニッシドが先頭のまま3、4コーナーを回って行く。

 先頭から5馬身ほど後ろにいるダノンベルーガは、それまで折り合っていたぶんエンジンのかかりが遅くなったのか、鞍上の松山が手を動かしながら前との差を詰めて行く。

 ビーアストニッシドが先頭で直線に入り、内から粘り込みをはかる。レッドモンレーヴジュンブロッサムらが外から襲いかかるが、ビーアストニッシドは並ばせない。

 ラスト400mを切ったところで、レッドモンレーヴジュンブロッサムの間からジオグリフが伸びてきた。それらの外に進路を取ったダノンベルーガの松山が右ステッキでゴーサインを出す。

 ラスト200m地点でもまだビーアストニッシドが先頭で粘っていたが、ダノンベルーガの勢いが突出していた。道悪をモノともせずに突き抜け、デビュー2戦目にして重賞初制覇を遂げた。1馬身半差の2着はジオグリフ、さらに1馬身半遅れた3着にビーアストニッシドが残った。

 ダノンベルーガは、昨年11月に東京芝2000mで行われた新馬戦では、道中は追っつけ気味に進み、圧巻の切れ味で2着を2馬身突き放した。競馬を覚えたぶん、今日の道中では前進気勢を見せてはいたが、それでも折り合い、豪快に伸びた。皐月賞はもちろん、距離が延びるダービーでも存分に力を発揮できそうだ。クラシックの有力候補が登場した。

(文:島田明宏)

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