「
チューリップ賞・G2」(5日、阪神)
最大の課題であったゲートをクリアし、1番人気の
ナミュールが雪辱Vを決めた。道中は中団に待機。直線外から一気に突き抜け、待望の重賞初タイトルをモノにした。
前走の阪神JFでは発馬で痛恨の出遅れ。4着に敗れたことで、今回は勝負駆けの一戦となった。これに一発回答で応えたのは昨年、大ブレークを果たした横山武。「賞金的にも権利は絶対と思っていた。そういうプレッシャーの中で、よく頑張って走ってくれた」とパートナーの力走をたたえた。
レースを終えて引き揚げる際、父・典弘から声を掛けられた。「すごいな。あれで勝つのか」。最後の直線。馬群の中で包まれて、身動きが取れなくなる場面があった。苦境を脱してのVに、武史は「きょうは馬の力だけで勝たせてもらったようなもの。本番までに自分自身、集中してしっかり乗れるようにしたい」と厳しい口調で先を見据えた。
いざ、
桜花賞(4月10日・阪神)へ。調教に騎乗して「柔らかさは一級品」と好感触を得ていたが、
トライアルを終えて「調教とは違う課題が見えた」とも。昨年の
エリザベスタワー(1着同着)に続き、レース連覇となった高野師は「道中でフラフラしていたのは芯がしっかりしていないから。素質は確か。もう少し線を太くできたら、乗り役さんも安心できると思う」と体質強化に取り組む構えだ。今後は短期放牧を挟んで本番へ。さらに成長した姿で、今度こそ真の女王の座に就く。
提供:デイリースポーツ