「
金鯱賞・G2」(13日、中京)
前半1000メートルを59秒4で通過すると、最後の坂を苦にすることなく、後続に1馬身半差をつけて逃げ切った。前走
白富士Sを、1分57秒4の好タイムで制した
ジャックドール。勢いに乗って重賞に初挑戦する。
レイパパレ、
アカイイトなど、豪華な顔触れとなった今回。藤岡師は「G1から逆算したローテのつもり。結構メンバーもそろうが、先を考えたら言っていられない」と期待は大きい。単なる“試金石”に終わらせるつもりなどない。
昨春の
プリンシパルSで5着に終わり、夏はスッパリと休養へ。これが見事に功を奏した。破竹4連勝の起点となった復帰戦(1勝クラス)では、馬のつくり自体がガラッと変わった印象だった。「もともと能力は高いのに、体質的に弱いところがあった。夏にしっかり休んで、そこから良くなってきた」。腰周りの緩さが解消し、あふれるスピードを存分に発揮できる体を手に入れた。連勝を伸ばした前走から中5週。中間の乗り込みは順調だ。「前回で状態も良かった。キープで十分」と師は自信をのぞかせる。
あの名馬の再来、などと言っても大げさではあるまい。98年5月に行われた
金鯱賞は、
サイレンススズカが逃げて大差勝ちし、中京競馬場は大きな拍手で包まれた。あれから24年-。異次元のスピードで逃げ切る連勝馬が現れるたび、競馬ファンの胸はざわつく。遅れてきた4歳世代の大物が、夢の続きを見せてくれるかもしれない。
提供:デイリースポーツ