競馬新聞「馬サブロー」が誇るPOGマスター、塩手智彦(栗東)と木村拓人(美浦)がお送りするPOG情報。東西のトレセンでつかんだ情報をお伝えします。
5日の
チューリップ賞は
ナミュール(牝、高野)が課題のスタートを決め、中団追走から直線で外へ持ち出すと、メンバー最速の上がり3F33秒9の末脚で2着に1馬身半差をつけて快勝。重賞初制覇を果たし、
桜花賞(4月10日・阪神、芝1600m)の最有力候補に躍り出た。
ここでは単勝13番人気で2着に入線した
ピンハイ(牝、田中克)に注目したい。昨年10月の阪神新馬戦(芝1400m)を後方から追い込んで勝利を挙げてからはいったん放牧へ。年内に次走を予定していたが、師は「もう少し時間が必要だと思い、再度放牧に出しました」とコメント。じっくりと成長を促し、5カ月ぶりの2戦目でいきなりの重賞挑戦。
その点については「いい馬だと思っていたし、期待は持っていました」と十分に手応えは感じていたようだ。「初戦もいい勝負根性を見せていましたし、その良さを今回も見せてくれました」と気持ちの強さを高く評価した。次走は馬の回復具合を見ながら、
桜花賞へ向けて調整を進めていく。レース内容を見ても決してフロックではなく、本番でも注目したい一頭だ。
次週は
皐月賞トライアルのス
プリングS(20日・中山、芝1800m)が行われる。今回は3頭の1週前の感触をお伝えしたい。
まずは前走で未勝利を勝ち上がったばかりの
ディオ(牡、辻野)から。これまではフラフラしながら走っている感じで若さを見せていたが、師は「前走はやっと真剣に走ってくれました。レースを使うごとに中身が伴ってきましたし、あれだけの瞬発力を使えたのは収穫でした」と、ここにきての成長ぶりに目を細めた。
さらに1F延びて初の1800mでの重賞挑戦には「スロー(ペース)でも我慢が利いていましたし、距離は大丈夫だと思います。心肺機能も高く、重賞でも楽しみです」と
皐月賞の優先出走権獲得へ向けて期待を寄せた。
ホープフルS13着から巻き返しを狙う
サトノヘリオス(牡、友道)。前走の敗因について、師は「中1週での中山遠征でG1挑戦。目に見えない疲れがありました」と振り返った。その後は放牧を挟んで、ここを目標に乗り込んできた。「動きに迫力が出て、馬体もひと回り成長しています。これまでに川田Jがいろいろと教えてくれたことで、口向きが良くなってきましたし、連勝した時のレースぶりからオープンでも通用する素質は持っています。改めて期待しています」と重賞初Vへ力を込めた。
つばき賞2着で枠入り不良だった
アルナシーム(牡、橋口)は発走調教再審査合格の条件はつくが、中間の練習の感じからまず問題はないと思われる。師は「1週前の追い切りの動きは良かったです。折り合いもついていい感じでした。1回使って動きが軽くなっていますし、さらにいい状態でレースへ向かえると思います」と手応えは上々。
朝日杯FS4着馬で能力は高い一頭。スムーズな立ち回りができれば重賞でも期待は十分だ。(馬三郎栗東支局・塩手)
提供:デイリースポーツ