2022年度のホッカイドウ競馬は、先週4月13日にシーズン開幕を迎えた。札幌における大雪の様子がニュースで連日報じられていたのは記憶に新しいが、
門別競馬場のある日高地方でも、この冬は異例の積雪を観測していた。開幕より一足先に2歳馬の能検が始まったのだが、3月10日の第一回能検は、近年にしては珍しく、多く積雪が残るなかで行われた。
その能検では毎年、新種牡馬の産駒に注目が集まる。今年は中でも、
インカンテーション産駒の動きの良さが目立ち、厩舎サイドの評判も上々だった。能検の映像はホッカイドウ競馬HPにアップされている。第一回能検はそれを含めて特にレベルの高い馬たちが集まっていたから、コース脇の残雪に情緒を感じつつ、ぜひ映像で若駒の走りを見てもらいたい。
前置きが長くなった。さて、シーズントップを飾る重賞は古馬中距離戦線の幕開け、
コスモバルク記念である。冬の休養明けの馬が多数であること、かつ、王者
クインズサターンをはじめ、昨年の
道営記念上位4頭が不在というメンバー構成とあり、大混戦の様相だ。
筆者は
チャイヤプーンの道営重賞初勝利に期待した。4年前の3歳時には
戸塚記念やダービー
グランプリを制覇した実績馬だが、昨年秋に門別へ凱旋しての連勝内容から、まだまだその実力は健在である。流れを問わず末脚堅実というレースぶりも強調でき、ペースの読みづらい今回は、これが大きな武器になるはずだ。軸馬としてこの馬が最適と見る。
成績の安定感から、
テーオーフォースは外せない。昨年のこのレース2着や、
道営記念5着は評価の対象だ。ただ、常に善戦を続ける一方で、勝ち切るだけの決め手が使えていないのもまた事実。服部騎手がどう捌くかに注目したい。
レースを難解にしているもうひとつの理由は、
ワークアンドラブという諸刃の剣タイプの逃げ馬がいること。乱ペースで追い込み馬が台頭するケースを鑑み、単穴には
ガッツポーズを抜擢した。多くの馬に上位進出の可能性があるのは確かで、馬券は手広く流したい。
(文:競馬ブック・板垣祐介)
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