「フ
ローラS・G2」(24日、東京)
良血馬
ルージュスティリアが抜群の気配だ。20日、最終追い切りはソフトな内容だったが、ラストは切れ味鋭い伸びを披露。約7カ月ぶりの実戦となった
チューリップ賞(6着)を叩いた上積みは相当だ。転厩初戦となる3戦2勝の
ラスールは、美浦Wで併せ馬。多少モタつくところはあったが、きっちりと併入に持ち込むなど、仕上がりに不安はない。
陽光に毛ヅヤの栄えた鹿毛が、栗東坂路を引っ張り切りの手応えで駆け上がってきた。
ルージュスティリアはまだキャリア2戦だが、既にオープン馬の風格を漂わせる。スラリとしたバネ型らしく、トモは柔らかく入って、蹴り上げるチップも目立って多い。馬なりのまま4F55秒8-39秒5-12秒0。しまいを軽やかにまとめた。
藤原師は「状態はええよ。悪くない。1回叩いて」と自信をのぞかせる。約7カ月の休み明けで使った
チューリップ賞は6着。「前走は(ゲートで)立ったからな。ミスった。タイミングも悪かった。誤算や。でも能力はある」。後方から勝った
ナミュールと同じメンバー最速の上がり3F33秒9を繰り出し、世代屈指の能力の片りんは見せた。
新馬戦では、のちの
桜花賞馬
スターズオンアースを相手に、先に抜け出して3/4馬身差で振り切っている。そこから休んだのは脚元がもやもやしたため。「脚はだいぶ落ち着いた。それをせかしてしまっていると、今がない」と指揮官。ずばぬけた潜在能力に確信があったからこそ、無理は避け、しっかりとその成長を待った。
「府中は合わない?いや、やってみないと分からんやろ」。笑いながら最後に言い残したセリフは、本音とはとても思えなかった。今回がキャリア3戦目だが、素質は決して見劣らない。キレキレの
ディープインパクト産駒が府中の長い直線を味方に、大舞台への切符をつかみ取る。
提供:デイリースポーツ