「天皇賞(春)・G1」(5月1日、阪神)
92年
天皇賞・春。周りのほとんどの人は“距離の壁”だと断定しますが、
トウカイテイオーの能力にほれ込んでいた私だけは、いまだにあの5着敗戦はレース中の骨折が影響したのだと思っています(妄想は自由)。初めての黒星。直線で
メジロマックイーンに突き放されたシーンにぼうぜん自失…。当時20歳。そんな私が、のちにトラックマンとして松元省一厩舎を担当するのだから、人生何が起こるか分かりませんね。
あれから30年。
テイオーに名誉挽回?のチャンスが訪れました。一族出身の
ロバートソンキーが、格上挑戦で春盾に挑戦します。祖
母トウカイテネシーは
テイオーの全妹。当時、
テネシーを担当していた山添明彦厩務員(野中厩舎)は「もう、そっくり。みんなから“
テイオーのミニチュア”って言われてたよ(笑)。気が勝っていたけど、かわいらしい馬だった」と懐かしそうに話していました。
その山添さん。「お母さんの
トウカイナチュラルも担当していた」とのこと。つまりは84年
オークス馬
トウカイローマンの半妹で、
テイオーの母であるが「デビュー戦を使うところまでいったんだけど、飛節を骨折してしまってね。まあ、あの馬はかなり気性が激しかった」。熱いハートは、母系から来るものなんでしょうね。
テネシーの孫に当たる
ロバートソンキーの
ハイライトは、何と言っても一21年の
神戸新聞杯。
コントレイル、
ヴェルトライゼンデに次ぐ3着は、世代トップクラスの能力を示すには十分な走りでした。ちなみに4着馬は、春盾で最大のラ
イバルとなる
ディープボンド。実績では見劣っても、ポテンシャルは引けを取りません。17年
菊花賞馬
キセキを輩出した父
ルーラーシップとの配合で、距離の壁を乗り越えてほしい。(デイリースポーツ・松浦孝司)
提供:デイリースポーツ