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【安田記念】カラテ 父系の血が引き出す速力“遅咲きの血”の開花に期待

デイリースポーツ
  • 2022年05月30日(月) 06時00分
 「安田記念・G1」(6月5日)

 若き頃の私は、誕生日が一緒だった田中勝春騎手に対して勝手に親近感を抱き、のちに熱狂的な“カッチー信者”に-。それゆえ、92年安田記念ヤマニンゼファーが勝った時は、もう狂喜乱舞。あのド派手なガッツポーズは、私のためにしてくれたのだと勘違いしたほどだ。

 あれからはや30年。日本競馬は飛躍的な進化を遂げた。92年の勝ち時計は1分33秒8。今ではとても通用しない数字だが、それでもあの勝負根性があればもしかして…と、いいように妄想するのも、競馬の一つの楽しみ方ではないだろうか。

 今回、取り上げたカラテは、初挑戦した21年がブービーの13着。走破時計は1分33秒0。リベンジするのは容易ではないが、同馬の牝系はステイゴールドでおなじみのロイヤルサッシュ系。確かな地力強化と、遅咲きの血が花開けば…と、21年からのステップアップを期待したくなる。

 名門ロイヤルサッシュ系については以前にも取り上げたが、この一族は“体が小さい”のが特徴的だ。サッカーボーイステイゴールドショウナンパンドラが代表例。だが、同馬は500キロを優に超える大柄に出た。

 これは恐らく、現役時代520〜540キロで走っていた父トゥザグローリーの影響で、生産者にとっては狙い通りの体つきに出たのではないか。また、同じ父父キングカメハメハ×ロイヤルサッシュ系の配合にはマイル重賞3勝馬ケイデンスコールがおり、骨量豊かな父系の血がこの距離に適したスピードを引き出したように思える。

 父トゥザグローリーは22年1月、イーストスタッドからカッチーのお父様が営む田中春美牧場へ移動し、引き続き種牡馬として繋養されているそうだ。まだ15歳。息子のカラテには、新天地で頑張る父に届ける気合の入った走りを期待したい。(デイリースポーツ・松浦孝司)

提供:デイリースポーツ

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