「ユニコーンS・G3」(19日、東京)
昨年の秋、日本では“
アロゲート旋風”が巻き起こり、数少ない産駒の中からド派手なデビューを果たす馬が続々と現れた。今回、紹介する
ジュタロウもその一頭。昨年11月に阪神ダート千八で行われた新馬戦では、楽な手応えで後続を2秒4も突き放す圧勝劇。名手・
武豊をして「スタミナが半端じゃない。将来が楽しみ」とうならせるほどの衝撃デビューを果たした。
日本でデビューした
アロゲート産駒各馬の牝系はさまざま。母がシアトルスルー系の
ジュタロウに関しては、日本では種牡馬
フレンチデピュティの父として知られ、
カネヒキリや
ミスターメロディの母の父に当たるデ
ピュティミニスターの4×3クロスが特徴的。高いダート適性をベースに、北米系のスピードと
パワーがアクセントとして加わっている。
同馬を管理する河内師は「
アロゲート産駒は“二つ目が勝てない”って、よく言われているな」と苦笑い。確かに、日本での産駒は新馬戦で派手な勝ち方をするにも関わらず、意外なほど伸び悩むケースが多い。そのあたりについては「ウチのは気性が前向き過ぎてね。普段はおとなしいけど、馬場に入るとスイッチが入って…。返し馬ができないほどだから」と燃えやすい気性を指摘する。
身体能力の高さは誰もが認めるところ。気性面の幼ささえ解消されれば、まだまだ高みを目指せるだろう。「前回、結果を出せたことで付き合い方が分かってきたし、今回も同じパターンで臨むつもり。精神的なもろさも、経験を積んでたくましくなれば。俺は古馬になってからだと思っている。
アロゲート自身がそうだっただろうからね」と師。本領発揮はこれから。7歳で早世した父の忘れ形見が、日本で輝きを放つことを期待したい。(デイリースポーツ・松浦孝司)
提供:デイリースポーツ