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【プリンスオブウェールズS】シャフリヤール 藤原調教師が胸を張る仕上がり「ちょっとでも不安があれば英国に行かないよ」/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2022年06月15日(水) 18時07分
 ダービー発祥の地・英国のビッグレースに日本ダービー馬が挑むのはシリウスシンボリ(1985年=キングジョージVI世&クイーンエリザベスS8着)、ディープブリランテ(2012年=キングジョージ8着)以来、3頭目。そして英王室が主催する「ロイヤルアスコット開催」への参戦は今回のシャフリヤールが初となる。

「伝統あるロイヤルアスコット開催、しかもエリザベス女王陛下即位70年のメモリアルイヤーに、こういう馬で挑めるのは名誉なこと」

 こう切り出した藤原調教師の言葉にも自然と力が入る。

シャフリヤールは世界に挑戦していかないといけない馬。4歳を迎えて成長もしている。高校生が大人になってきた」

 その進化の一端を証明したのが前走のドバイシーマクラシックだった。当時は初の海外遠征。当然、不確定要素が伴う。それゆえに「もっとナーバスになるかと思っていたんだが、しっかりパフォーマンスを発揮してくれた。人馬ともにパーフェクトな競馬だった」とトレーナーは“世界初戦”を高く評価する。

「一度(海外に)行けば馬にも自信がつく。いい馬には対応力があるからね。国が変わっても二度目の分、調整は当然しやすくなる」

 管理馬の出走には“まずは無事に、健康体で”がモットー。ドバイから帰国後は「時間をかけて体調を見極めてきた。ちょっとでも不安なところがあったら(英国に)連れては行かないよ」と仕上がりに胸を張る。

 プリンスオブウェールズS挑戦にあたって最大のポイントとなるのが「馬場適性」なのは言うまでもない。馬場が渋れば芝1990メートルのレースで2分10秒を超える決着にもなるアスコット競馬場。

16年プリンスオブウェールズSエイシンヒカリの遠征に父・坂口正則厩舎の調教助手として帯同した坂口智康調教師は「芝丈が長く、下見でコースを歩いた時は、足に絡みついてくる感じがしました」と当時を振り返る。

 日本ともドバイとも違うタフな芝の攻略――。これさえクリアできれば、今後の選択肢がさらに広がるのは間違いない。

 競馬ファンの夢を乗せ、世界の大舞台に挑む第88代日本ダービーシャフリヤール。充実一途のディープインパクト産駒が、日本の競馬史に新たな一ページを刻むのか。運命のゲートは日本時間15日23時40分に開かれる。

(栗東の馼王野郎・西谷哲生)

東京スポーツ

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