この道ははるかパリへと続くのか。上半期を締めくくる
グランプリ(
宝塚記念=26日、阪神芝内2200メートル)は、
タイトルホルダーが歴史に名を刻めるかの分かれ道でもある。すでに
凱旋門賞(10月2日=パリロンシャン、芝2400メートル)に登録済み。この
宝塚記念の結果次第で“世界”に打って出るかが決まるからだ。
ファン投票では史上最多となる19万1394票を集めて堂々の1位。あの
オグリキャップの持つ最多得票記録(1990年)を塗り替えた。さらにはワールドベストレースホースランキングで日本馬最上位の9位タイにランクイン。
菊花賞、
天皇賞・春に続く3つ目の
ビッグタイトルを狙う今回は、明らかに追う立場から追われる立場へと変わっている。
最大のラ
イバルはもちろん、
皐月賞、
天皇賞・秋、
有馬記念とすでにGI3勝の
エフフォーリア。昨年の
年度代表馬に輝きながらも、今年初戦の
大阪杯ではまさかの9着惨敗を喫した後だけに、どちらにとっても「負けられない戦い」となるだろう。
エフフォーリアはキャリア8戦中、前走を除けば1800~2500メートルでオール連対を誇る。一方、
タイトルホルダーの過去11戦中、連対を外した4戦はいずれも2000~2500メートル。キャリア最悪の13着惨敗を喫した
セントライト記念は今回と同じく距離2200メートルだった。
タイトルホルダーの最大の武器である「スタミナ」をフルに生かせない距離ではデータ上、
エフフォーリアに分があるのは明らか。
実際、管理する栗田調教師も「同型の存在と距離短縮は大きな課題だよね。それに
エフフォーリアとは過去に3回やって3敗しているわけだから…」と楽な戦いではないことは十分に承知している。それでも不安より期待が大きいこともまた隠すことはない。
「逃げ馬と一緒に行けば苦しくなるとか、控えてスローになっても持ち味が出ないとか、いろいろな声が出ているみたいだけどね。確実に言えるのは選択肢が一つだけのジョッキーじゃないってことだよ」とトレーナーは鞍上の横山和に絶大な信頼を寄せている。
タイトルホルダーとタッグを組んでから3戦2勝。前走の
天皇賞・春で晴れてGIジョッキーとなった当の横山和は「何の不安もありません。肉体的にも精神的にも前回よりまた良くなっていますから」と断言してみせた。そう、距離適性、対戦比較上では
エフフォーリアに劣っても、勝負事に最も大事な勢いでは
タイトルホルダーに軍配が上がるのもまた確かだ。
もちろん、ラ
イバルは
エフフォーリアだけではない。一昨年の牝馬3冠馬
デアリングタクトに、
大阪杯を制した
ポタジェ、さらには海外遠征で結果を出してきた馬たち…。しかし、これら強豪を打ち破ってこそ、名実ともに「日本のエース」の称号が与えられる。
番記者としてはこの難局も見事にクリアして、秋には日本競馬界の悲願達成という歴史的瞬間を現地フランスで目撃したいものである。
(美浦の記録保持野郎・垰野忠彦)
東京スポーツ