6月26日に阪神競馬場で行われる
宝塚記念(3歳上・GI・芝2200m)。GI馬5頭、重賞勝ち馬15頭が揃い、まさに上半期の総決算と呼ぶにふさわしいメンバーが集まった。
宝塚記念は阪神の最終開催であり、また気候も相まって馬場のコンディションが安定せず、フルゲートになりづらいGIだ。現に去年までの計62回の歴史の中で、フルゲートの18頭が出走したのはわずか2回である。今年、18頭のままでゲートが開けば、3例目ということになる。
初めて18頭が揃ったのは2007年。
岩田康誠騎手騎乗の
アドマイヤムーンが国内GI初制覇を飾った一戦だ。2例目は2020年の
クロノジェネシス優勝時。2着に6馬身差をつける圧勝でGI・2勝目をあげた。
この他、2010年も枠順確定時には18頭が揃っていたが、レース発走前に
コパノジングーが出走を取消し、結果的に17頭のレースとなっている。今回はサンプル数を増やすために過去2回のフルゲートの年に2010年のレースを加えて、
宝塚記念フルゲート時のヒントを探ってみたい。
まず、目を引くのが8枠の好走だ。全3回ともに8枠の馬が連対しており、頭数が多くても外枠からの好走が可能であることを示していると言えるだろう。また、フルゲート時は4歳馬の好走も目立つ。全3回とも勝ち馬は4歳馬であり、馬券圏内に4歳馬が2頭絡んでいる。フルゲート時における8枠の4歳馬に絞ってみれば、3頭出走して[2-1-0-0]と100%の連対率を誇る。人気馬ばかりではなく、2010年は8番人気の
ナカヤマフェスタが優勝していることからも、一定の警戒は必要だろう。
今年も8枠に入った4歳馬が一頭いる。8枠16番の
グロリアムンディ(牡4、栗東・
大久保龍志)だ。土曜日時点で単勝は13~15番人気想定であり、大穴と呼ぶべき存在だろう。近走はダートを走っているが、元は芝を走っていた馬であり、2020年のGIII・京都2歳Sでは1番人気に推された実績がある。ダートに転向後は4連勝をあげ、GIII・
アンタレスSでは
オメガパフュームの2着に好走しており、馬場が渋れば魅力的な一頭だ。
福永祐一騎手が鞍上を務める点も心強く、久しぶりの芝で激走があってもおかしくない。