3日のGIII・
CBC賞で重賞初騎乗初勝利の離れ業をやってのけた
今村聖奈。先週時点で今年21もの勝ち星を積み上げている。それに対し、同じ
CBC賞で
シホノレジーナに騎乗した同期・角田大河は初騎乗で初勝利を挙げているが、先週時点では14勝。デビュー当初に脚光を浴びていたのは大河の方だったが、今は少々押され気味。
ただ、現時点で14勝は通常の年なら大変な数字。記者は両者のツイッターをフォローしているが、大河のアカウント開設を聖奈が自分のアカウントで宣伝するなど、ラ
イバル関係ながらも親しい間柄がうかがい知れる。これからも同期の“絆”で競馬界を盛り上げていってほしい。
さて、今年の
中京記念(24日、小倉芝1800メートル)。渡辺厩舎が送り込む
スーパーフェザーと
ダブルシャープは、昨夏の小倉では不知火S→GIII
小倉記念→
小倉日経オープンと3走続けて一緒に出走し健闘。今年2月のGIII
小倉大賞典では前者が8着、後者7着ではあったが、着差はそれぞれ0秒8、0秒6。差のない競馬は見せている。両馬は既にベテランの域に達しているが、前出の両ジョッキー同様“同期の桜”の7歳馬。お互いに意識があるかはわからないが、重賞初制覇を虎視眈々と狙っている。
戦前の評価では、小倉で3勝、2着3回と圧倒的な相性を誇る
ダブルシャープに軍配が上がる。
渡辺調教師は「どちらかというと不器用なタイプで小回りは合わない気がするのですが…。ゲートに不安もあるし…。なぜ勝っているのか正直よくわからないんですよ(笑い)」と首をかしげる。一方、近2走も
福島民報杯5着→
都大路S2着と小倉以外のコースでも入着を果たしている。
「2走前は思っていたより反応してしまって最後脚が上がったようだし、前走はそれを踏まえて乗ってもらいましたが、逆に少し踏み遅れた感じでした。ジョッキーへの指示が良くなかったですね」と渡辺師。続けて「時計面が課題ですから4週目で馬場が荒れてくるのは好材料です」。
一発の魅力なら
スーパーフェザー。前走の
米子Sは14着も「向正面で他馬と接触、ハミをかみました。前半力んだ分脚をなくした感じ。乗り難しい馬ですが、はまれば脚は使います」と渡辺師。
その真骨頂とでも言うべきレースが3着に入った昨夏の
小倉記念。名手・
武豊の好騎乗も光ったが、直線で一旦先頭に立つ見せ場十分の内容。3年強、間が空いた重賞挑戦で見事馬券圏内に食い込んでみせた。
2016年のセレクトセール2億6000万円の高額落札馬として友道厩舎に入厩し、話題になった
スーパーフェザー。20年に渡辺厩舎に転厩したが「素材の良さは感じます」と渡辺師も潜在能力の高さは感じている様子。「競馬場に行くとイレ込むので、1泊挟めるのはプラス材料ですね」と小倉遠征は歓迎と口にする。かみ合えば一発の可能性も大だ。
渡辺厩舎“同期の桜”ワンツーフィニッシュ、なんていうシーンが見られるかもしれない。
(栗東の同期ウオッチング野郎・鈴木邦宏)
東京スポーツ