「
中京記念・G3」(24日、小倉)
6番人気の
ベレヌスが抜群のスタートから主導権を握ると、最後まで先頭を譲らず押し切りV。キャリア21戦目にして待望のタイトル獲得となり、デビュー5年目の22歳・西村淳にとっては21年の
金鯱賞(
ギベオン)以来2度目の重賞制覇となった。2着に10番人気
カテドラル、3着には1番人気
ファルコニアが続き、史上初となる重賞初騎乗からの連続Vを狙った
今村聖奈騎乗の
カデナは、直線大外から脚を伸ばすも6着に終わった。
強固な絆で結ばれたコンビが小倉の地で躍動した。6番人気の
ベレヌスが鮮やかな逃走劇で待望の重賞初制覇。全21戦中13レースで手綱を握る西村淳は、「この子とはずっとコンビを組んできて、いい時も悪い時も乗せてもらっていました。関係者の方に感謝したいですし、この子もよく頑張ってくれました」と勝利の味をしみじみとかみしめた。
7枠14番からの発走も、何のその。好スタートを決めると一気にハナを奪取。前半は緩やかなペースを刻んでレースをコントロールし、後半で一気に
ギアチェンジ。ラスト5Fは全て11秒台のラップを並べてラ
イバルを手玉に取った。「作戦通りです。きょうは前が止まらない馬場。道中もずっといい手応えだったので“これなら”と思っていました。直線はうれしかったですね」と自賛する会心騎乗を振り返った。
「うまいなと思いましたね。3、4角のスピードの上げ方が、後ろに脚を使わせる絶妙なタイミングだった」と杉山晴師も舌を巻く。「この馬に関しては人馬一体。彼の意見を尊重している」と全幅の信頼を置くからこそ、レースでの作戦指示は一切出さなかった。
重賞ウイナーとなった今後については、オーナーと相談の上で決める。指揮官は「これまでは使った後の反動や状態の上下動があったけど、去年から常に高いところでキープできている」と愛馬の成長を実感する。重賞2勝目を挙げ、レース後に「もっともっと勝ちたい」とさらなる上昇を誓った西村淳。ひと皮むけた人馬の動向から目が離せない。
提供:デイリースポーツ