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エルムS・G3」(7日、札幌)
勝つか、惨敗か-。そんなムラ駆けのイメージが強い
アイオライトが、直近3連敗で迎えた前走の
大沼Sで激変V。しかも、番手から抜け出す味のある競馬を披露し、5歳夏にしてさらなる進化を示した。
7番人気での勝利に武藤師は、「あの馬らしからぬ差し脚」と突然のモデル
チェンジに笑みを浮かべる。「インコースに入ってどうかと思ったけど、クリアしてくれた。あれが番手の外だったら、もっと気分良く運べたんじゃないかな」と新味を見いだした愛馬の可能性に胸を躍らせる。
膝の弱さを抱えているため、前走後も引き続きウッドチップがある函館に滞在。「菱田君もこの馬のために
エルムSが終わるまで函館に残ってくれるみたい」と鞍上の心意気に感謝する。そのかいあって、中間の調整は順調に進んでおり、1週前追い切りでは、函館Wで5F70秒3-12秒7(馬なり)。テンポ良く軽快にラップを刻んで、最後までしっかりと伸びた。馬体の張り、ツヤの良さが目立ち、充実ぶりが顕著。好調をがっちりキープしている。トレーナーは「コンディションが悪い時は角馬場から歩様が硬い馬。今はそれがないし、1週前追い切りの動きも良かったですね」と充実ぶりに目を細める。
3代母が名牝
イツトーという“華麗なる一族”の末裔(まつえい)。主戦場はダートだが「元来スピードがある馬で、平たんだと余計に生きる。千七も一番合っている」(武藤師)と舞台設定に不足はない。2歳時の全日本2歳優駿(川崎)では頭差の2着に惜敗し、大魚を逸したこともあった。待望の初タイトル奪取へ、いよいよ機は熟したようだ。
提供:デイリースポーツ