今シーズンの門別開催もいよいよ後半戦に突入した。北海道に季節の移ろいを告げる
ブリーダーズゴールドカップは、地元勢にとっては牝馬重賞路線の最終戦であり、
JRA勢にとっては、
JBCレディスクラシックへつながる
ステップレースである。むろん、昨年の
マルシュロレーヌがここから米国のBCディスタフ制覇へと羽ばたいたように、向かう先は可能性に満ちている。
予想をする上で念頭に置くべきは、牝馬限定戦になった2014年以降、3着以内はすべて
JRA勢が占めているという事実である。芝ならまだしも、ダート路線で中央オープンまで上り詰める牝馬は、相応に強力だ。今年もやはり優位は
JRA勢だろう。
今年の
JRA勢で飛び抜けた存在は見当たらないが、
JRA重賞も含め、レベルの高いレースで幾度も善戦歴のある
プリティーチャンスが、経験値の高さで一歩リードの印象だ。後半勝負型の脚質も、広い門別2000mにはマッチしそうである。
レースを引っ張るであろう
テリオスベルは、近走の充実ぶりが光る。マークを一身に受けることになるが、スタミナをフルに生かすペースで運べば勝機があるだろう。これまで幾度も
関東オークス馬が参戦してきたが、勝ち切れてはいない。斤量利がない中で、歴戦の古馬相手となるとやはり壁はある。今年の
グランブリッジも、その点だけが課題だ。
昨年は中央馬4頭が固まってスローで先行したため、離れて進んだ地元勢はそのまま流れ込んだだけだった。ただ、今年は少し上がりがかかるレース展開になりそうで、あくまで昨年と比較だが、
JRA勢のメンバーも与し易い。その点に、地元勢が食い込む余地があるかもしれない。
その最右翼は昨年5着の
ネーロルチェンテ。この馬自身、前走で地元重賞を勝って力をつけている。
JRA勢が作る流れに対応力が見込めるのは、クラスは違えど最近まで中央に在籍していた
ニーズヘッグと
ノットイェットだろう。地の利を生かして一矢報いてほしいところだ。
(文:競馬ブック・板垣祐介)
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