「新潟2歳S・G3」(28日、新潟)
現実問題として、私が愛する日本古来の血統が着実に衰退しているのは事実です。ちょっと寂しさを感じている昨今ではありますが、時折見かける“激シブ血統”に励まされつつ、当コラムは今なお存続しています。
新潟2歳Sにも発見しました。小倉の新馬戦を快勝した
タマモブラックタイの母系は深く、実に私好みだ。掘り下げてみると、7代
母アマリテュードまでさかのぼり、5代母は80年
桜花賞で
ハギノトップレディの2着に好走した
タマモコトブキというメアーライン。半世紀以上もバトンを繋いでくれた一族には感謝の意を表したい。
この牝系は、冠名に“タマモ”が付けられていますが、3代母だけがなぜか
ダイヤモンドピアスという馬名。疑問に思って、同馬を管理していた中竹師に話をうかがうと、「分からないなあ」と苦笑いでした。ただ、何でも話は聞いてみるもので「実はね、あの馬は僕に調教師としての初勝利(99年6月)をプレゼントしてくれたんです」と、意外なところから引き出しが開きました。
この
ダイヤモンドピアスの子どもが、13年
京阪杯を制した
アースソニック。「ノースヒルズさんで初めて重賞を勝たせていただいた馬。しかも、厩舎300勝の
メモリアルもあの馬でした」と言うから不思議な縁。
アースソニックの半姉
タマモピアスから派生した一族が、
タマモブラックタイへと続きます。
「
ダイヤモンドピアスは400キロそこそこの小さい馬で、
サクラユタカオーの子でもスピード系だった。
タマモイヤリングからは晃一(角田調教師)の系統になったけど、この牝系はみんな走っているからね。今どき珍しい生粋の日本ブランド。これからも頑張ってほしい」と中竹師。新種牡馬
デクラレーションオブウォーの活力を得て、益々発展してほしい一族だ。
提供:デイリースポーツ