◆第101回
凱旋門賞・仏G1(10月2日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)
JRA馬券発売対象の第101回
凱旋門賞・G1(10月2日)で、
ドウデュースに騎乗する
武豊騎手が
プロデュースし、松島代表が全面
バックアップするトレーニング施設を水納愛美記者が取材。競馬界のレジェンドの肉体の秘密に、コラム「見た」で迫った。
トップを走り続ける秘けつが、ここにもあった。京都市内の「テイクフィジカルコンディショニングジム」。
武豊が「鍛えるだけじゃなく、リハビリもトレーニングもできるところが欲しい」と
プロデュースし、16年10月にオープン。「TAKE―」の名の通り、“
武豊による
武豊のための”施設だ。驚いたのが、キー
ファーズの松島代表が本社ビルのワンフロアを提供し、運営にも協力していること。個人オーナーが騎手をここまで支援するのは、他に例がない。
騎手生活36年目。体への負担は計り知れず、「どこも痛くない日なんて、何十年もないかもしれない」と、苦笑する姿にも納得できる。それだけに、日々のケアが持つ意味は大きい。遠征中以外はほぼ毎日「テイク―」を利用しているという。
施設内で目を引いたのが、ケア用に設けられた完全個室だ。スペインで開発された高周波温熱機器「インディバ」を設置。筋肉の細胞を揺らして熱を発生させることで、循環を良くし、痛みを生む物質を流す仕組みだ。
武豊も「凝りがすぐ取れる」と即効性を実感する。
ジムの代表を務める長谷川聡さん(45)は、08年から
武豊の専属トレーナーを担う。長谷川さんは、騎手は肩甲骨と股関節の可動域が重要と指摘。
武豊は他の騎手と比べて優れており、「この年齢でこれって、ハイパーに柔らかい」と太鼓判を押す。
「何もしてなかったら、今の年齢でこのパフォーマンスは無理じゃないかな」。53歳の今も競馬界をリードする存在。華々しい活躍の裏で、たゆまぬ努力を重ねていた。10年以上二人三脚で歩んでいる長谷川氏も、フランスに同行する。「万全の態勢で挑みますよ」。レジェンドの表情から伝わる自信は快挙を予感させた。(水納 愛美)
◆長谷川 聡(はせがわ・さとし)1977年7月20日、滋賀県生まれ。45歳。理学療法士。京大大学院で人間・環境学博士号を取得。同大学院助教授などを経て、16年4月に株式会社テイクフィジカルコンディショニングの代表に就任した。騎手ではルメール、池添、岩田康などに加え、阪神・藤浪らのトレーナーも担当している。
スポーツ報知