◆第101回
凱旋門賞・仏G1(10月2日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)
JRA海外馬券発売対象の第101回
凱旋門賞・G1(10月2日)に、
ディープボンドが2年連続で挑む。オーナーブリーダーのノースヒルズ・前田幸治代表にとって、自らの生産馬による4度目のチャレンジ。その熱き思いを独占インタビューした。
―2年連続で出走する
ディープボンドは昨年と異なり、現地の前哨戦を使わず本番に挑みます。
「昨年、前哨戦・本番と経験しました。厩舎も同じで馬もスタッフも調整の仕方をわかっています。
ディープボンドは休み明けも問題がありませんから、本番に向けてじっくり調整ができるよう努めています」
―
キズナ産駒での参戦という点に意味深いものを感じます。
「
キズナはニエル賞、
ディープボンドはフォワ賞と前哨戦には勝利しました。
キズナが果たせなかった夢に、産駒で挑戦できることはとても光栄に思います」
―昨年のフランスでの2戦を改めて振り返ってください。
「フォワ賞では、
キズナがニエル賞を勝った時にも似た手応えを感じました。ですが、
凱旋門賞当日の馬場は、日本ではありえないほどの重馬場。昨年の結果は参考外とみています」
―1年前と比べて
ディープボンドが成長した部分を教えてください。
「環境の変化に動じなくなったところですね。帰国初戦の
有馬記念で2着にきて『やっぱり力があるな』とも感じました。今回の遠征でも精神的にも落ち着いていて順調に調整できているようです。やるべきことをわかっている頭の良い馬だと思いますし、ハートの強さが最大の長所だと思います」
―ノースヒルズ生産馬は13年の
キズナに始まり、今回が4度目の
凱旋門賞になります。世界の数あるレースの中でも、やはり特別ですか?
「私の中では
凱旋門賞はもちろんですが、
ケンタッキーダービー、ブ
リーダーズC、ドバイワールドCも獲りたいレースです。最初の海外遠征は
レギュラーメンバーのドバイワールドC(01年)。挑戦しないことには結果は出ません。何回はね返されても挑戦は続けます」
―今回は川田騎手を鞍上に迎えます。
「海外レースの経験も豊富ですし、初騎乗となることには全く心配していません。一流の騎手はみんなそうですけど、特に判断力が優れているように感じています。どう乗ってほしいというのはないですし、彼なりに考えて乗ってくれるでしょう」
―大久保調教師は昨年のリベンジに燃えています。
「勝負に対して真面目な調教師ですし、悔しい思いもしていますからね。『今度こそ』と強い意志を持って、一生懸命に仕事してくれています」
―現時点で帰国後のプランはありますか?
「もちろん体調を確認してのことではありますが、年末の
有馬記念、来春に新装する京都競馬場で行われる天皇賞には挑戦したいと考えています」
―最後に意気込みをお願いします。
「馬場は合うと思いますし、スムーズなレース運びができれば、絶対にチャンスはあると信じています。
ディープボンドに『グッドレースを!』と、日本のファンの皆さんからも力強いご声援をいただけるとうれしいです」
◆前田 幸治(まえだ・こうじ)奈良県吉野郡生まれ。アイテック株式会社代表取締役会長。株式会社ノースヒルズ代表。1983年から馬主になり、84年にノースヒルズの前身「マエ
コウファーム」を北海道新冠町に設立。2003年、鳥取県伯耆町に育成施設の「大山ヒルズ」を、17年には北海道日高町に中期育成牧場「ノースヒルズ清畠」を開場した。生産馬で13年
キズナ、14年
ワンアンドオンリー、20年
コントレイルと
日本ダービーを3勝。ほかにも
ファレノプシス、
ヘヴンリーロマンス、
アーネストリー、
トランセンドなど活躍馬多数。趣味は日本画鑑賞、読書。
スポーツ報知