10月2日(日)に中山競馬場で行われる第56回スプリンターズステークス(GI)に出走を予定しているメイケイエール(牝4、栗東・武英智厩舎)について、武英智調教師の追い切り後の共同記者会見のコメントは以下の通り。

「前走は、今までのレースぶりから見るとはるかに進展があったといいますか、道中掛かるところも無かったですし、本当に完璧に近いレースだったかなと思います。この馬がデビューして2年間やってきたことが、少しずつ実になってきたという感覚です。考えられることをすべていろいろやってきたのですが、牝馬ですし、きゃしゃな部分があったので、(矯正効果の)強い馬具を使うことに抵抗がありました。もう使いたいな、でもまだじゃないか、という葛藤がありながら、4歳を迎えて強い馬具を使い出して、いい方向に向いているので、いろいろ思うことはありますけど、今はマッチしているのかなと思います。

体高がすごい高い馬で、脚が長いのもあり、すごくスラっとみえる馬体なのですが、ようやく実が詰まってきて、キ甲もようやく抜けてきて、馬体を見る限りは本格化してきたなという感じはあります。1週前追い切りは素晴らしい動きだと思いました。以前は、掛かるのを抑えに行ったときは上に逃げるような、頭を振るような、よく獅子舞って言われているんですけど、そういう掛かり方をしていたのですが、だいぶ実が詰まって、トモがパンとしてきたので、掛かり方も少し変わってきました。体幹といいますか、左右のぶれも少なくなってきて、まっすぐ伸びてくる感じなので、調教でもちょっとゾワっとする動きをしていましたね。

最終追い切りは、中2週ということもありますし、先週しっかり負荷をかけたのもあるので、追い切りしなくてもいいかなというレベルだったんですけれども、ジョッキーに感触を確かめてもらうぐらいの、いつも通りの競馬の当該週の調教をサラッとやるくらいの感じでした。いつもは、最後の1ハロン、ジョッキーも少しハミを外して伸ばし気味の調教をしているのですが、きょうは最後まで持ったままでフィニッシュしてくださいという要望を出しました。馬場も悪かったので(最後の1ハロンは)12秒を切るくらいかなと思って見ていたのですが、時計(11秒1)を見てびっくりしましたね。

去年のスプリンターズステークスは、ジョッキーも初めてでしたし、本当に不安ばかりの中のレースでしたが、負けたもののやっぱり能力はあると再確認できました。そこからこの1年、一戦一戦成長して、本当にいい感じで過ごしてきているので、去年とは、全く何もかもが違うと思っています。前走も冷静に自分で折り合いをつけて、ペースが速かったから折り合いがついたというよりは大人になっているなという印象を受けましたので、今回も、以前のように枠順とか、たくさん行く馬がいた方がいいとかいうイメージはあまり無くて、どこからでも来いっていう感じはしています。厩舎としてもGIは未勝利ですが、この馬をGI馬にしたいという気持ちがすごく強いので、ゲートに入るまで気を抜かずに、いい結果が出るように頑張りたいと思います」

(取材：三浦拓実)

ラジオNIKKEI