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【スプリンターズS】荻野極騎手がジャンダルムで「感謝」のG1初制覇  同馬はレース史上初の母子制覇を達成

スポーツ報知
  • 2022年10月03日(月) 04時00分
◆第56回スプリンターズS・G1(10月2日、中山・芝1200メートル、良)

 秋のG1開幕戦、第56回スプリンターズSは2日、中山競馬場の芝1200メートルを舞台に、16頭が出走して行われ、8番人気のジャンダルム(牡7歳、栗東・池江厩舎)がG1初制覇を飾った。鞍上の荻野極騎手(25)=栗東・フリー=もうれしいG1初タイトルとなった。

 控えめなガッツポーズ荻野極ジャンダルムの背中の上で、静かに喜びをかみしめた。人馬ともに初のG1の勲章は、新潟開催だった2002年を制した母ビリーヴとの、同レース史上初の母子制覇の大偉業ともなった。検量室でようやく笑みがこぼれたヒーローは「すごくうれしい。感謝の気持ちでいっぱいです」と周囲への思いを口にした。

 イメージ通りだった。課題のスタートを決め、好位の3番手につけた。直線は中山の急坂を早め先頭で駆け上がる。ウインマーベルが追ってきたが、首差抑え込んでゴールに飛び込んだ。「道中、直線ともにスムーズに運べた。手応え通り、しっかり伸びてくれた」と会心の騎乗だった。

 池江厩舎との出会いが今回の大舞台へと誘った。池江厩舎に所属する騎手の水口が、20年夏に北海道シリーズに拠点を置いたことで、その“代役”として同厩舎の栗東での調教を本格的に手伝うようになった。仕事を着実にこなしていくうちに、厩舎スタッフも信頼を寄せてくれるようになった。かつて3冠馬オルフェーヴルも管理した池江調教師が「極、極」と気軽に話しかけるほど、今では親密な間柄だ。

 ジャンダルムとも濃厚な時間を過ごした。出遅れ癖が課題だった愛馬との付きっ切りの練習の中で「レースと、普段のギャップを感じられた」と癖を把握。出遅れない手法を自分なりに得て、3月のオーシャンSを勝った。これが自身の重賞初制覇だった鞍上は、そのわずか半年後にG1タイトルも手にした。

 トレーナーも「極が乗るとゲートでもじっとしている」と、信頼を勝ち得ての勝利。7歳馬の短距離王の次走は決まっていないが、母から受け継いだスピードが本領を発揮するのはこれからだ。「より気を引き締めて技術に磨きをかけたい」と荻野極。“2人”の道には、まだまだ続きがある。(松末 守司)

 ◆荻野 極(おぎの・きわむ)1997年9月23日、東京都生まれ。25歳。2016年3月に阪神でデビュー。同4月に阪神で初勝利を挙げると、2年目の17年に47勝をマークした。その後、勝ち星を減らし、昨年は16勝だったが、今年はすでに20勝(2日現在)と復調ムード。身長161センチ、体重50キロ。

 ◆ジャンダルム 父キトゥンズジョイ、母ビリーヴ(父サンデーサイレンス)。栗東・池江泰寿厩舎所属の牡7歳。米国・ノースヒルズの生産。通算29戦7勝。総獲得賞金は4億1551万2000円。主な勝ち鞍は17年デイリー杯2歳S・G2、22年オーシャンS・G3。馬主は前田幸治氏。

スポーツ報知

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