昨年の4回阪神4日目に組まれていたダート1800mの新馬戦。勝ったのは、2番人気の
デリカダ(栗東・
吉田直弘厩舎)。牝馬ながら、2着に0.6秒、3着には2.9秒もの差をつけているが、その後は1勝クラス、
伏竜Sと連勝しており、3戦負けなしの状態を保っている。
その時の2着が
カフジオクタゴン(栗東・
矢作芳人厩舎)。この馬も3着には大きな差をつけたわけで、その直後の未勝利では1秒差をつけての完勝。今夏に
レパードSを制して、重賞制覇ということで、この時期のダート戦で大差をつけることができる馬は3歳になっての飛躍を期待させてくれるといってよいだろう。
【10月15日(土) 東京芝1600m】
◆
シュタールヴィント(牡、父
ロードカナロア、
母マルセリーナ、栗東・
矢作芳人厩舎)
母は2011年の
桜花賞馬で、半兄に芝で4勝を挙げている
ヒートオンビート(
父キングカメハメハ)や
京成杯で重賞を制した
ラストドラフト(父
ノヴェリスト)がいる。
本馬は9月23日にゲート試験を合格。その後は栗東に在厩して調整しており、10月6日にはCWで併せ馬。相手は
秋華賞に特別登録し、フ
ローラSでは2着の実績がある
パーソナルハイ。これに先行したとはいえ、最後の直線で並びかけられてから仕掛けると、力強く伸びて相手を突き放す動き。6F83.5秒は水準の時計だが、プレッシャーをかけられた状態でしっかり動いた走りは評価できる。鞍上は
坂井瑠星騎手が予定されている。
【10月15日(土) 阪神芝1600m】
◆
ダノンバビル(牡、父
ロードカナロア、
母レキシールー、栗東・
中内田充正厩舎)
同厩舎で管理されている
ダノンバジリア(父
Frankel)はダートで2勝を挙げているが、全兄にあたる
ダノンスコーピオンは今春にNHKマイルCで芝のマイルGIを制している。
本馬は5月19日にゲート試験を合格して、その後は牧場で調整。9月になって栗東へ戻ってきており、その後は坂路とCWを併用して追い切りを消化。10月6日には
川田将雅騎手が跨って、CWでの併せ馬。古馬1勝クラスの
ダノンティンパニーを追走して遅れたようだが、時計は、6F81.0~5F65.5~4F51.6~3F37.2~2F23.5秒~1F11.5秒と新馬として水準以上の数字をマークしている。9月29日のCWで6F87.5秒という追い切りだったことを思えば、1週でこれだけ速い時計に対応したところにセンスを感じる。
【10月16日(日) 阪神芝2000m】
◆
ルモンドブリエ(牡、父
エピファネイア、
母ラクレソニエール、栗東・
友道康夫厩舎)
母は現役時代に仏1000ギニー、仏
オークスといったG1を制覇。8戦負けなしで繁殖入りしている。きょうだいに目立った活躍馬はいないものの、母の競走馬としての能力を考えれば、いつ大物が誕生しても不思議ない血統といってよいだろう。
本馬は函館競馬場でゲート試験に合格し、その後は牧場へ戻って調整。9月になって栗東へ入厩して、追い切りを開始。10月5日のCWでの追い切りは3頭併せを一番後ろから追走。真ん中は古馬3勝クラスの
セレシオンだったが、これにしっかりと食らいついていく動きを見せた。時計もラストが11.4秒と伸びている。鞍上は
C.ルメール騎手が予定されている。
◆
カナオールウェイズ(牡、父
ロードカナロア、
母ガリレオオールウェイズ、栗東・
藤岡健一厩舎)
母は世界的な良血。半姉
ガリレオインパクト(
父ディープインパクト)は京都芝1800mでデビューして8着。その後も5戦して、
JRAでは勝ち上がることができずに登録を抹消している。
本馬は7月29日のゲート試験に合格した後、栗東で調整を進めていたが「何か悪いところがあるわけではありませんが、このままデビューするよりも、少し間をあけた方がよいと思うので」ということで一旦退厩。9月に再入厩という形になったが、夏場よりも明らかに動きが良くなってきた。10月5日のCWでは体重の軽い見習い騎手が跨っていたとはいえ、新馬と併せて追走先着。ラストも11.6秒と伸びている。
(取材・文:井内利彰)