牝馬限定G2「第70回
府中牝馬S」が15日、東京競馬場で行われ、12番人気の伏兵
イズジョーノキセキが重賞初勝利を挙げた。
岩田康誠(48)の好リードで断然人気の
ソダシを破り、
石坂公一師(39)にうれしい
JRA重賞1勝目をプレゼント。これで
エリザベス女王杯(11月13日、阪神)の優先出走権を得た。
「キャアアア!!」。
イズジョーノキセキが
ソダシに襲いかかった瞬間、東京競馬場に悲鳴が上がった。主役の座を一瞬で奪う会心の末脚。その瞬間、岩田康は
ガッツポーズを連発し、「最高のレースをしたら体が反応してしまうね」と笑った。
芸術的な騎乗だった。道中は後方のインで体力ロスを抑えた。直線でゴチャつきそうな位置にいたが鞍上は冷静。「
ソダシが前にいるのは分かっていた。付いていけば必ず前が空くと思っていた」。思惑通り、抜け出した
ソダシの背後からするっと外に出す。最後は測ったように頭差だけ差し切った。岩田康は「さすが(直線の長い)東京競馬場。この馬の末脚だから勝てたんです」と汗を拭った。
泉一郎オーナーに届けた初タイトル。喜びはひとしおだ。同オーナーの勝負服は「白地に青たすき」。岩田康が園田時代に着用した勝負服と全く同じ柄を使用している。岩田康は「ずっと応援していただいている。期待に応えられて大変うれしく思います」と感謝を口にした。
これが
JRA重賞初勝利となった石坂師も「馬が大人になってきたし、成長を感じる。(重賞初勝利は)厩舎として力を付けてきたなという実感もある。スタッフがうまく仕上げてくれた」と笑顔。次走は昨年5着に善戦した
エリザベス女王杯。今年の大一番は“最強の白毛馬”を破った自信を胸に戦う。
◆
イズジョーノキセキ 父
エピファネイア 母キングダンサー(母の
父キングカメハメハ)17年2月16日生まれ 牝5歳 栗東・石坂厩舎所属 馬主・泉一郎氏 生産者・北海道新ひだか町の沖田哲夫氏 戦績21戦5勝 総獲得賞金1億6224万2000円 馬名の由来は馬主名+人名より+奇跡。
スポニチ