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【菊花賞】馬主歴35年・廣崎利洋オーナー「勝てば涙」アスク2頭に期待!「ワクワク」語った菊への思い

スポニチ
  • 2022年10月19日(水) 05時30分
 ◇G1ウイーク「時の人」



 秋のG1新企画「時の人」。菊花賞は馬主で唯一、2頭出しの廣崎利洋オーナー(75、名義は廣崎利洋HD)にスポットを当てる。今年はアスクビクターモアアスクワイルドモアの重賞ウイナー2頭で自身初となるダービーにも挑戦。馬主歴35年を振り返り、菊花賞への意気込みを聞いた。 

 ――馬主になろうと思ったきっかけは?

 「会社を上場する前(87年)に、馬主の方に京都競馬場に招待してもらって、競馬を見る会がありました。その時のメンバーにタンホイザとかフクキタルなど“マチカネ”の冠名で有名な馬主の細川(益男)さんがおられ、一緒に来ていた伊藤雄二さん(当時、調教師)から“廣崎さんも馬主になったら”と言ってもらいました。その時、マチカネコイノボリという馬が勝ちまして、みんなで並んで写真を撮って、私も(馬主を)やろうと思いました」

 ――88年に馬主免許を取得。翌89年に伊藤雄二厩舎からデビューしたアスクヒーローが札幌新馬戦を勝ち、馬主初出走でいきなりV。

 「私の馬はウイニングチケットも生産された藤原牧場さんから800万円で購入しました。同じレースにはドラゴンラリーという2億円の輸入馬もいましたが、なぜか勝ったんですよ。うれしかったね。馬主として初出走での勝利。忘れられない。この世界へ入り込んだきっかけになりました」

 ――15年桜花賞レッツゴードンキでG1初制覇。

 「神戸出身としては昔から桜花賞がダービーのようなもの。レースはゴール前で見ていました。まさか勝つとは思ってなくて。逃げて残ってくれた。G1初制覇の時は正直よく分からないなという気持ちでした」

 ――馬主歴35年目の今年、アスクビクターモアアスクワイルドモアの2頭で日本ダービーに初参戦。

 「僕も何回か出ていると思っていたし初めてというのは意外でした。活躍していたのが牝馬ばっかりでしたからね。当日は楽しかったですよ。直線はビクターモアが粘って勝ったかと思った。外から2頭来ましたが4着馬には最後まで抜かせなかった。普通なら抜かれているところ。その粘り強さが力になって今後に生きてくるかなと思います」

 ――ビクターモアは20年のセレクトセール1歳部門で1億8700万円(税込み)で落札。初めて見た時の印象は?

 「会場で自分で見て、いい馬だなと。(生産した)社台ファームの吉田照哉さんからも“いい馬だから”と言ってもらえた。ワイルドモアもそうですが、馬名の後ろにモアが付いている馬は照哉さんと共同で所有しています。人柄のいい方ですし競馬界のリーダー的存在ですからね。一緒にやっていて、いろんな意味で勉強になることも多いです」

 ――秋初戦のセントライト記念は惜しくも2着。

 「勝てれば良かったけど前も横もみんなマークしてきたからね。頭差の着差なら次に向けては十分かなと思います。田村先生は距離は長くなってもパフォーマンスは落ちないと言ってくれています。マークも前走より楽になるでしょう。中山で走っているし右回りは相性がいいですから」

 ――ダービーに続いて2頭での参戦。廣崎オーナーにとって菊花賞ネヴァブション(06年10着)以来、2度目となる。

 「アスクワイルドモア京都新聞杯をレコードで勝っていますからね。(藤原)厩舎の方も“次は楽しみです”と言ってくれています。今度はワイルドモアもいいと思う。桜花賞を勝っているし阪神開催の菊花賞も勝てれば涙が出ると思います。ワクワクしますね」

 ――馬主として今後の夢は?

 「これからの楽しみはレッツゴードンキの子供ですね。フランケルとの子(牡0)もいるし、ガリレオの子(牝1)は来年デビューします。G1を3勝してくれたストレイトガールの最初の子でフランケル産駒のアスクピーターパンは未出走ですが血統はいいので種牡馬にしました。僕の繁殖牝馬に今年は7頭ぐらい種付けしましたよ。その下のフランケル産駒アスクビートルズは今年デビューする予定ですし、G1で活躍してくれた馬の子たちが走ってくれたら夢も広がりますね」

 《ディープインパクト最終世代の現2歳にも期待大》廣崎オーナーは21年セレクトセール1歳部門に登場したディープインパクト産駒最終世代の1頭「ワッツダチャンセズの2020」を1億3200万円(税込み)で落札。馬名はチャンスドゥアスク(牝2=梅田)に決まった。「最終世代の産駒は国内に6頭しかいないし日本の宝ですからね」。栗東トレセンでゲート試験に受かり、先週放牧に出された。「体力づくりをして大事にじっくりいければ」と期待を寄せた。

 ◇廣崎 利洋(ひろさき・としひろ)1947年(昭22)2月4日生まれ、兵庫県出身の75歳。甲南大学卒業後、伊・オリベッティ社の日本法人に入社。73年にコンサルティング会社ASK PLANNING CENTERを創業した。現在はASK GROUP HOLDINGS株式会社の代表取締役。馬主ではレッツゴードンキ(15年桜花賞)、ストレイトガール(15&16年ヴィクトリアマイル、15年スプリンターズS)でG1を4勝。

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