過去10年の傾向から好走馬を探り出す「G1データ王」。伝統の一戦「第166回
天皇賞・秋」は昨年のダービー馬
シャフリヤールを筆頭に、現役屈指の逃げ馬2頭、強力3歳勢3頭の参戦で群雄割拠。対立軸が豊富な混戦こそデータ班の出番だ。
(1)性能
昨年は
エフフォーリアが19年ぶりとなる3歳馬V。連対ですら12年2着
フェノーメノ以来9年ぶりだった。3歳勢は近10年の通算【1119】で単勝回収率28%、複勝回収率32%では積極的には買いづらい。ただし、ダービー連対馬に限れば【1・1・1・0】と3着内率100%と一気に信頼度が上昇する。古馬勢では5歳【6・3・4・39】の勝率11・5%が首位。4歳【3・6・4・27】も強い。6歳以上は連対なし。【0・0・1・55】では買えない。性別では出走数が多い牡馬が8勝とリードも、牝馬は【2・2・3・7】と3着内率50%を誇る。
(2)脚質
パンサラッサ、
ジャックドール、
バビットの逃げ争いに注目も、逃げ馬は【0・0・2・8】と厳しい数字。4角2番手【1・2・1・10】、同3番手【0・2・1・11】と先行勢は苦戦傾向にある。4角2番手で勝利した17年
キタサンブラックも出遅れて序盤は後方に位置していた。上がり3Fメンバー最速(タイ含む)をマークした馬が10年で9連対と圧倒的。激しい主導権争い、長い直線での攻防が繰り広げられる東京芝2000メートルだけに、末脚型が優勢となっている。狙い目はシンプルで、前走の上がり3Fタイムがメンバー最速だった馬が【6・2・2・23】と強い。
(3)前走
最多出走の
毎日王冠組【3・1・5・37】が最多勝。ただし、近6年に限れば連対すらしていない近況では猛プッシュはできない。むしろ、春のG1戦線からの直行が近年のトレンド。前走G1組は【4・7・4・24】で近5年で4勝。近2年にいたっては1〜3着を独占と直行組が猛威を振るっている。その他では
札幌記念組【1・1・0・15】、
オールカマー組【1・0・0・21】、
京都大賞典組【1・0・0・13】。海外帰り初戦だった馬は3頭いたが、いずれも馬券圏外に沈んでいる。
(4)馬体重
スタート後すぐにコーナーがあるため位置争いが激しい。内枠が有利なのは有名だが、馬格も重要になってくる。480キロ未満の馬は【0・6・4・41】と勝ちきれていない。そのうち、460キロ未満となると1頭も連対できていない。480〜499キロが【6・2・3・49】、500キロ以上が【4・2・3・40】。タイトな馬群で位置を主張できるパワフルさが必要だ。
結論
苦戦が続いた3歳勢の連覇に光明。
イクイノックスは上がり3F最速の追い込みでダービー2着。前走時484キロと成長分を加味すれば、馬体重の基準もクリア濃厚だ。減点材料が全く見当たらず、18〜20年3連覇のルメール鞍上なら鬼に金棒。過去の傾向からは不動の本命に推せる。穴では
マリアエレーナが面白い。近年好走が目立つ牝馬で、かつ前走は先行しながら上がり3F最速を計時。
クロフネ産駒の牝馬といえば、19年
アエロリットが3着(6番人気)に激走している。他の3歳2頭、古馬勢の主力には明確な減点材料があり、波乱含みの一戦となっている。(データ班)
スポニチ