2歳重賞「第55回ハイセイコー記念」が16日、大井競馬場で行われた。3番人気のマンダリンヒーローが直線2番手から差し切り優勝、デビューから無傷の4連勝で重賞初制覇した。同馬には「第73回全日本2歳優駿」(Jpn1、12月14日、川崎)への優先出走権が与えられた。

　逃げたポリゴンウェイヴの前半3Fの通過が38秒8。誰もが遅い、と思った瞬間だった。マンダリンの手綱を握る矢野が向正面で後方4番手から動いた。外を一気にまくって2番手のポジションにはまり込む。それでも逃げたポリゴンの手応えは絶好。直線を向いたところで矢野が左ステッキを入れて追い出すとジリジリと前に迫る。まだ手応えがある。今度は右にステッキを持ち替えて連打すると一完歩ごとに差を詰める。残り50メートルで射程圏内に捉えると最後は首差きっちりかわしていた。

　これが今年重賞9勝目となった矢野は「フワフワ走っていたし、このペースでは届かないと思ったので思い切って行った。最後はねじ伏せてくれてうれしかった。これからどんな成長をしてくれるか楽しみ」と先を見据えた。次走は未定だが来春へ向けて大井から新星が現れたことは確かだ。

　◆マンダリンヒーロー　父シャンハイボビー　母ナムラナデシコ(母の父フジキセキ)　牡2歳　大井・藤田輝信厩舎　馬主・新井浩明氏　生産者・北海道新ひだか町の平野牧場　戦績4戦4勝　総獲得賞金億2860万円。

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