「阪神JF・G1」(11日、阪神)
名付け親は管理する
武藤善則調教師(55)=美浦=の愛娘で、
タレントの彩未(26)。そして主戦は息子の
武藤雅騎手(24)=美浦・水野。“武藤ファミリー”の思いが詰まった期待の素質馬
モリアーナが、無傷3連勝で2歳女王の座を狙う。
“武藤ファミリー”の夢を乗せて、2戦2勝の
モリアーナが2歳女王の冠を目指す。
6月東京開幕週のデビュー戦を最速上がりで3馬身差V。続く札幌の
コスモス賞は4角先頭の横綱相撲で2馬身差の完勝劇を決めた。武藤師は「2戦とも余裕のある勝ち方。新馬戦は格好良かったよなぁ。前走は取りこぼせない一戦だったし、指示はしていないが外枠だったこともあって正攻法の競馬。直線は頭を上げたりして、完全に遊んでいたね」と楽しそう。
ただ、ここまでの道のりは決して順風満帆だったわけではない。当歳9月に下顎骨が腫れ、「下顎骨の線維性骨異形成」という診断が下った。生死をさまよった時期もあり、競走馬への道も閉ざされかけた。それが1歳7月ごろに治まり、患部が固まってからは順調そのもの。「すごい生命力だよね。今もその名残はあるけど、全く問題はない」と感慨深げに目を細める。
オーナーには騎手時代からの大恩がある。調教師となってからは、所有馬の命名もほとんど任されており、
モリアーナの名付け親は娘の彩未だ。そして、主戦は息子の雅。「ポテンシャルを秘めている馬。今回は
ビッグチャンス。あとはボクがしっかり手綱を握るだけ。結果を残して、みんなと喜びたい」と力を込めた。まさに“ファミリー”の思いの詰まった結晶が、仁川の大舞台で存在感を放つ。
〈1週前診断〉武藤を背に美浦坂路で4F53秒9-12秒1(馬なり)。僚馬を目標にグイグイと加速。力感あふれるフットワークで、最後まで手応え良くしっかりと脚を伸ばした。体も引き締まっており、次週はサラッとやるだけで十分。
◆武藤彩未(むとう・あやみ)1996年4月29日、茨城県出身。幼少期よりモデルや、キッ
ズグループ「可憐Girl’s」で活動。アイドルグループ「さくら学院」のリーダーを経て、ソロアイドルとしてデビュー。現在は4枚目のミニアルバムを出したところで、全国11カ所を回るリリースイ
ベント中。夢は「父が育てた馬に弟が乗り、プレ
ゼンターとして共演すること」。
提供:デイリースポーツ