12月28日(水)に中山競馬場で行われる第39回
ホープフルステークス(GI)に出走を予定している
ファントムシーフ(牡2、栗東・
西村真幸厩舎)について、梛木孝幸調教助手のコメントは以下の通り。
「前走の
野路菊ステークスは、課題を持って、キック
バックを嫌がるようなところがあるという点を騎手に伝えて、それを確認してもらうような形で馬群の中に入れてもらって、しっかりそういうのを克服して、最後、手応え通り抜け出せたので、すごく収穫のあるいいレースだったと思います。2連勝は、デビュー前の動きからすると、期待通りです。デビュー前からすごく手応えのいい馬でしたし、動きも申し分なかったので、順調に来られていると思います。
中間、放牧から2か月前に栗東に帰ってきました。前走後は、牧場でしっかりケアだけはしてもらって、乗り込みをこちらでやるという形で、普通キャンターに向けてのトレーニング、普通キャンターから追い切りに向けてのトレーニング、追い切りから競馬に向けての最終的なトレーニング、という形で進めてきました。前走後、オーナーとの相談では、その後の目標は両にらみという感じだったのですが、2か月前に戻ってきたときには
ホープフルステークスを目標にという形で決めて、じっくり進めてきました。
先週の1週前追い切りは、3頭併せの一番外を追走したのですが、向正面で少し早めに並びかけるような
サインを鞍上が出したところ、少し掛かってしまって、予定より向正面で速くはなってしまいました。ただ、その後はしっかり折り合いがついて、馬の後ろからじっくり進めて、攻め駆けする古馬を相手に最後までしっかり動き切れていましたので、いい内容だったのではないかと思います。21日(水)の追い切りは、レースの1週前になるので、そこまでやりすぎないように、ジョッキーに、折り合いと操作性、
バランスとかを確認してもらって、最後手前を替えてからの反応を見てもらって、どういう動きをするか、もし動きが足りないようであればしっかりやってくださいという指示を伝えたのですが、しっかり動けていましたので、いい状態で送り出せると思います。この後は、木曜日は様子を見て、運動を挟んで、普通に乗り込んで、25日(日)に坂路で1本、馬のフラストレーションをためないように流そうかなと思っています。
跳びの大きな馬で、本当の意味でこの馬の持ち味を生かせるのはもう少し広いコースなのかと思うのですが、操作性も良いですし、すごく頭のいい馬で、ポジションを取りに行ってから折り合いもつきますし、鞍上の
ゴーサインにしっかり反応できる馬なので、イメージとしては中山の2000mはト
リッキーなコースだと感じてはいますが、対応してくれるのではないかと思います。こちらが何を求めているかをすごく感じ取ってくれる馬ですが、競馬が近づくにつれて、先週のように過敏に感じてしまうようなところも出てきています。そのあたりは続けて福永騎手に乗ってもらっていて、馬のことを良く知ってもらっているので、しっかりコンタクトが取れていると思います。
今年も良いメンバーが揃ったと思いますが、この馬自身もいいものを持っているので、相手は強くなりますが、自信を持って力を出し切ってくれたらいいパフォーマンスが出来るのではないかと思っています。今のところ、厩舎で2勝を挙げている2歳馬はこの馬だけですし、スケールの大きさというと他の2歳馬よりも頭一つ出ている印象ですので、西村厩舎のこの世代を引っ張っていってくれる存在になってくれればと思っています。
ここ2戦、本当にいい勝ち方をしてくれていますので、今回、相手は強くなりますが、すごくいいモノを持っています。無事に帰ってきてくれることが第一ですが、成長していってくれたら大きなところも今後も狙っていける馬だと思います。我々もこの馬を応援していますし、ファンの皆さんも一緒に応援よろしくお願いします」
(取材:三浦拓実)
ラジオNIKKEI