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【有馬記念】イクイノックス伝説の幕開け 木村哲也調教師「世界のホースマンに見ていただく価値のある馬」

スポーツ報知
  • 2022年12月26日(月) 07時00分
◆第67回有馬記念・G1(12月25日、中山競馬場・芝2500メートル、良)

 第67回有馬記念・G1(25日、中山)は、イクイノックスが2着ボルドグフーシュに2馬身半差をつける完勝。木村哲也調教師(50)=美浦=が「天才」と称する3歳馬が、史上最少の6戦目でグランプリ制覇で証明。G1連勝を成し遂げた「天才」の新たな伝説をつくる場所はどこになるのか。

 3歳馬、わずか5戦のキャリアで挑んだグランプリでも1番人気の支持に応える2馬身半差の完勝。その重圧を一心に感じていた木村調教師は「ホッとしました」と安どの表情を浮かべた。課題のあった発馬も決め、絶好のポジショニングを取ったイクイノックス。道中でやや行きたがる場面を見せたが、「引っかかっているわけではないんですが、パワフルで、それこそ頼もしくみていました」と木村師の心は微動だにしなかった。

 ただ、レース10日前の思いは違った。「このままじゃ有馬記念は勝てない」。抱いていた危機感。それでも、指揮官が「天才」と評する愛馬はレースまでの時間がわかっているかのように、自身を整えていく。最終追い前日の20日には「レールにはまって来る」という独特の表現で変化を感じ取った木村師。終わってみれば快勝。「簡単ではないんだけど、簡単に勝ってしまう」イクイノックスは、やはり「天才」だった。

 クラシック前から海外メディアも注目の一頭だった。2月にオーソリティとネオムターフCを戦うためサウジアラビアへと遠征。その際、現地でイクイノックスジオグリフの強さについての質問を受けた。その時、「世界で戦っていきたい」と強く感じた。衝撃のグランプリ制覇に、個人的な意見と前置きした上で「世界のホースマンに見ていただく価値のある馬ではあると思います」と力を込めた。

 同馬を所有するシルクレーシングの米本代表の思いも重なる。「間違いなく今の日本を代表する一頭になったと思う。世界中のレースに適性があると思うので、来年は国内外でレースを選択していきたい」。しっかりしたレース間隔を取って、「天才」の感覚で一撃必殺のように狙ったレースをつかみとる。実力で古馬を黙らせたキタサンブラック産駒には明るい未来しか見えない。(石行 佑介)

 イクイノックス 父キタサンブラック母シャトーブランシュ(父キングヘイロー)。美浦・木村哲也厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算6戦4勝。総獲得賞金は8億660万2000円。主な勝ち鞍は22年天皇賞・秋・G1、21年東京スポーツ杯2歳S・G2。馬主は(有)シルクレーシング。

スポーツ報知

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