「ホープフルＳ・Ｇ１」（２８日、中山）

　先週終了時点で５９勝をマーク。３年連続５回目のリーディングトレーナーの座を、ほぼ手中に収めている矢作厩舎が、今年最後のＧ１にミッキーカプチーノとフェイトの２頭を送り込む。中でもミッキーカプチーノは、大物感たっぷりの走りで無傷２連勝中。Ｇ１舞台でも秘める能力を発揮して、厩舎の先輩コントレイルのように無敗で２歳中距離王へと上り詰める。

　新馬戦-葉牡丹賞を連勝中のミッキーカプチーノ。初戦で負かした２〜４着馬は次戦で勝ち上がり、その中でも３着馬グリューネグリーンは連勝でＧ３覇者に。そんな骨っぽいメンバーを相手に、幼さをのぞかせつつも上がり最速で一蹴。大器の片りんを見せつけた。

　２戦目の葉牡丹賞。そこで、その能力が本物だということを証明してみせた。初戦とは一転し、馬群でもまれる競馬になったが何のその。経験の浅さを感じさせない立ち回りで、評判馬相手に３馬身半差の楽勝劇を演じた。マークした勝ち時計は１分５９秒１。これは皐月賞や紫苑Ｓをも上回る、今年の同舞台最速タイムだった。

　２１日の１週前追い切りには、主戦の戸崎圭が志願して美浦から駆け付けた。栗東ＣＷで目いっぱいに追われたが、「獣医さんに“まだやっていい”と言われた」と廣岡助手。負荷をかけられてもまだ十分に余力があったため、２５日の日曜は坂路追いの予定をコースに変更したほど。「本当にすごいトモをしています。２歳でこれはなかなかない。カイ食いも良過ぎるくらい。困るところのない馬です」と太鼓判を押した。

　「パワーがありながらも素軽さがある。総合的にいい」。携わる者全てが高く評価する逸材。無傷の３連勝でＧ１タイトルを奪取し、３年連続５回目となる厩舎のリーディング獲得に花を添える。

提供：デイリースポーツ