「新VU作戦」の明石尚典記者は2023年もラップまみれの生活を貫く覚悟。GIII
シンザン記念(8日=中京芝1600メートル)では少ない検討材料の中から、あらゆるラップパターンに対応し得る軸馬を見いだした。まさに任せて安心。大型帆船に乗ったつもりで、ごゆるりとレースを堪能あれ。
出走各馬のキャリアは最多で5戦、最少なら1戦。サンプルデータが極めて少ない段階だけに、「横の比較=対戦履歴」からの戦力比較はほとんど意味を成さない。
しかも、デ
フォルトの京都から中京への舞台替わりで15頭立てと活況を呈した前2年から一転、2桁にすら届かない少頭数。展開、ペースといった不確定要素によって紛れの生じる余地も極めて小さいとなれば、少ない手がかりからいかにして素材の良しあしを見極めるか。ある意味での“相馬眼”こそが何より重要なポイントになってこよう。
トーホウガレオンは4戦目でようやく未勝利を脱出。2→2→2→1着の蹄跡からは典型的な勝ちみに遅いキャラクターが透けて見えるのだが…。初戦の小倉9ハロンがラスト4ハロン12秒5→12秒1→11秒8→11秒6の加速ラップ。2戦目の中京10ハロンは前半3ハロン37秒1→5ハロン62秒3のスローからラスト2ハロン11秒2→11秒6。同じ中京10ハロンでも3戦目は残り5ハロン地点から4ハロン連続で11秒台の後半一貫型ラップ。キャリアの割にバラエティーに富んだレースラップをくぐり抜けているのは見逃せないポイントだ。
待望の初勝利を挙げた前走の阪神9ハロンも2戦目と同じく、前後半4ハロン48秒9→46秒7からラスト2ハロン11秒2→11秒6の瞬発力勝負に分類されるわけだが…。前述通り、初戦&3戦目のようなスピードの持続力を問われる流れでもきっちり連を確保しているだけに、仮に前半ラップがもう一段上がったとしても十分対応できるはずだ。
この未勝利勝ち時の自身前後半3ハロンラップ合計71秒4(37秒1→34秒3)を1秒程度縮めて、8ハロン1分34秒0前後で走ることができれば、GIIIながらオール1勝馬の組み合わせで大きく崩れるケースはまず考えにくい。
わずか4戦で瞬発力と持続力の両方を問われる流れを経験済み。そんなおませな若駒に当コ
ラムの2023年初当たりの夢を託すことにする。
(明石尚典)
東京スポーツ