牡と牝で得意なステージが異なる種牡馬は意外に多い。しかしながら、
サトノアラジンほど極端なパターンは珍しいだろう。
通算成績を見ると一目瞭然だ。牡馬&騙馬は芝で[0-3-6-101]と未勝利。一方、ダートでは[21-11-23-148]の勝率10%、複勝率27%と悪くない成績を残している。とりわけダート1800mでは[15-7-8-60]の勝率17%、複勝率33%。単勝回収率は184%だから、積極的に買える。具体例を挙げれば、先週日曜の中京2R・3歳未勝利(ダ1800m)では初ダートの
サトノアラジン牡駒、
マルベリーシチーがV。前走は芝1400mで15着に大敗していたが、鮮やかな一変を決めた。このような牡馬の芝→ダート替わりには要注意したい。
一方、牝馬は芝で[13-5-11-101]の勝率10%、複勝率22%。アベレージは高くないが、回収率は単複ともに100%を超える優秀な数字を残している。しかし、ダートでは[2-1-5-68]の勝率3%、複勝率11%。牡馬の芝ほど悪くはないが、馬券を買うのは控えた方がいいだろう。
サトノアラジンはシャトル種牡馬としてニュージーランドでも繋養されており、牡馬のグランドインパクトと
セイクリッドサトノが芝の重賞を制している。それだけに“牡馬は芝が全くダメ”というわけではないが、少なくとも日本では迷わず消し。「
サトノアラジン産駒は牡馬がダート、牝馬が芝」と覚えておいて損はないはずだ。