取材する側の立場で言うなら、きちんと質問をすれば、ちゃんと答えが返ってくる。若手記者、ベテランだからといって分け隔てはしない。かつて
福永祐一が所属した北橋厩舎の元スタッフで兄貴分の中山義一さんいわく「真っすぐで温かい人柄」だからこそ多くの調教師、厩舎関係者らに愛されている。誰より愛情を注いだのが師匠・北橋修二氏(06年に定年引退)だ。
北橋氏が調教師だった頃はとにかく辛口、弟子を褒めたことはない。常に厳しく接したのは成長を願っているからこそ。そんな師匠が「ようやく一人前になった」と手放しで褒めたのが18年
日本ダービーだ。
ワグネリアンに騎乗し、外の17番枠からイチかバチかの先行策。うまく折り合いをつけ、自身19度目のチャレンジで元ジョッキーの父・洋一氏の夢でもあった福永家悲願のダービー制覇を成し遂げた。レース後、検量室前に引き揚げてきた福永と担当スタッフの藤本助手、出迎えた友道師も、みんな号泣。あのシーンに心を打たれた。毎年いろいろなドラマがあるが劇的なダービーとして記憶に残っている。
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